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睡眠関連用語集

睡眠関連用語集
あ行
アミロイドβ
脳内で生成されるたんぱく質の一種。誰の脳にも存在する物質で、通常は無害で脳内の不要物として短期間で分解・排出される。しかし、アミロイドβ同士が結合すると巨大化し、毒素を出すアミロイドβとなる。大きなアミロイドβは排出が困難となって脳内に蓄積され、アルツハイマー型認知症を発症させると考えられている。

アルコール
適量のアルコールを摂取すると寝つきが良くなるが、眠りを浅くするため睡眠自体の質は低下する。また、就寝前のアルコール摂取が日常的になると徐々に体が慣れ、飲酒量を増やさないと眠れなくなる。アルコール摂取量の増加によって睡眠時無呼吸症候群や睡眠時の異常行動が増えたり、悪夢を見たりすることが増える。

アルファ波
リラックスしている時に中心となる脳波で、周波数帯域は8~13Hz。目を閉じると出現しやすく、アルファ波が主体となると寝つきがよくなるとされている。

EPA
正式名称は「エイコサペンタエン酸」。イワシやサバなどの青魚に多く含まれるオメガ3系脂肪酸の1つ。血液中の中性脂肪を減らす働きがあり、血液を血栓ができにくいサラサラの状態にする。高血圧や動脈硬化、脳卒中、心筋梗塞などの予防効果がある。

位相
波動や振動など周期的に繰り返される運動の状態のうちで、同じ地点に相当する場所を測定した位置や状態。

位相反応曲線
メラトニンや光など体内時計の位相を変化させる刺激を与えた時間を横軸、その刺激によって生じた変化を縦軸として導き出された曲線。

一過性不眠
普段は睡眠に問題を抱えていない人が、試験やプレゼンの前日など通常とは異なる緊張感を伴う出来事がある場合や、環境の変化、海外旅行など時差がある地域へ出かけた際などに1~7日程度の短期間にみられる不眠症状。

インスリン
膵臓から分泌されるホルモンで、糖代謝を調節して血糖値を一定の数値内に保つ。日本人は欧米人よりもインスリン分泌量が少なく、肥満体型でなくても糖尿病予備軍の人が多い傾向がある。

エストロゲン
女性ホルモンの1つで、卵胞ホルモンとも呼ばれる。月経や妊娠、出産、肌のハリや潤い、メンタルの安定など女性の心身を健康的に保つ作用がある。20代で分泌量がピークに達し、45歳頃から急激に分泌量が減少して更年期障害を引き起こす。

オメガ3系脂肪酸
イワシやサバなどの魚油に多く含まれるEPAやDHA、植物油に含有されるα-リノレン酸といった脂肪酸の総称。人間の体内では生成できないため、食べ物やサプリなどから摂取が必要。オメガ3系脂肪酸を摂取することで睡眠障害が改善される可能性が示唆された調査結果がある(※)。 ※脂質摂取による睡眠への影響/オレオサイエンス 第 19 巻第 7 号(2019)

オレキシン
脳の視床下部で産生される神経ペプチドの一種で、覚醒・睡眠や摂食行動に関係している。空腹時には活性化して脳の覚醒状態を維持したり、摂食量を増加させたりする。また、ストレスによっても活性化する。過眠症の代表的な疾患である「ナルコレプシー」はオレキシンの欠乏によって引き起こされる。
か行
概日リズム
約24時間の周期で変動する規則的な体の変化。サーカディアン・リズムとも呼ばれる。ホルモン分泌や代謝、体温、自律神経、睡眠などを調節している。

概日リズム睡眠障害
体内時計が乱れて、睡眠の時間帯が昼夜のサイクルと合わなくなる睡眠障害。日勤・夜勤が変化する交替勤務の人や、夜型の生活を送っている人、早すぎる時間に就寝する高齢者などに多い。

カフェイン
コーヒーや紅茶、チョコレートなどに含まれる食品成分の1つで、適量を摂取すれば疲労回復や覚醒効果、エネルギー消費量の増加に役立つ。過剰に摂取すると心拍数の上昇やめまい、震えなどの症状をもたらす。

過眠症
睡眠障害の1種。十分な睡眠時間をとっているにも関わらず、日中に強い眠気を感じて生活に困難を生じさせる。過眠症の中にはナルコレプシーや特発性過眠症、反復性過眠症などがある。

GABA
アミノ酸の一種で、ストレス軽減効果やリラックス効果のほか、血圧を低下させる作用がある。ケールやトマト、ヨーグルト、バナナ、ブドウ、発芽玄米、納豆、チョコレートなどに多く含まれる。

グレリン
胃から分泌されるホルモンの1つで、食欲を高める作用がある。睡眠不足で分泌量が増加し、高脂質・高カロリーな食べ物を好む傾向が強くなる。そのため寝不足の状態が続くと太りやすくなる要因の一つ。

血糖値
血液中に含まれる糖分(グルコース)の濃度。正常値は空腹時で60~110㎎/dl、食後は100~140mg/dlとされていて、血糖値が高い状態が続くと糖尿病をはじめとした様々な病気のリスクが上昇する。

血糖値スパイク
食後1~2時間の血糖値が急激に上昇した後に急降下する状態。食後に血糖値が急上昇することでインスリンが過剰に分泌されて低血糖となり、頭痛や眠気、だるさを感じさせることも。一般的な健康診断では見つかりにくく、気付かないうちに糖尿病を引き起こしている場合も。

交感神経
自律神経の1つで、主に日中に優位となる。心拍数をあげたり、血圧を上昇させたり、発汗を促して身体活動を活発化させる。また、ストレスを抱えている時や緊張している時にも活性化する。就寝時に交感神経が優位な状態にあると、寝つきが悪くなり睡眠の質が低下する。

更年期障害
40歳以降に性ホルモンの分泌量が減少することで引き起こされる、様々な症状。女性の場合は50歳前後の閉経時期を挟んだ前後10年間に女性ホルモンが減って心身に不調をもたらす。のぼせや顔のほてり、異常な発汗、頭痛、めまい、動悸、息切れ、耳鳴りなど。精神的にはイライラすることが増えたり、不安感を感じやすくなったりする。更年期症状によって不眠になる人も多く、不眠のためにさらに心身のバランスが崩れるといった悪循環に陥る人も少なくない。

コルチゾール
副腎皮質ホルモンの1つで、糖やたんぱく質、脂質の代謝を調整するほか、免疫力向上や抗炎症作用がある。ストレスによって分泌量が増加するため、ストレスホルモンとも呼ばれる。コルチゾールが過剰になると体幹部を中心に脂肪がつきやすくなったり、顔が丸く腫れたりする「クッシング症候群」になりやすくなるほか、うつ病などの精神的な病気も引き起こす。コルチゾールは睡眠不足でも多く分泌される。
さ行
サーカディアンリズム
約24時間の周期で変動する規則的な体の変化。概日リズムとも呼ばれる。ホルモン分泌や代謝、体温、自律神経、睡眠などを調節している。

幸せホルモン
神経伝達物質の1つである「セロトニン」のこと。心身を安定した状態に保つ。セロトニンは大部分が腸に存在していて、朝日を浴びたり、一定のリズムで同じ動作を繰り返したり、腸内環境を整えることで分泌量が増加する。体内で生成されない必須アミノ酸「トリプトファン」から生成されるため、食べ物からの摂取が必要。セロトニンが不足すると抑うつ状態や不眠、感情をコントロールできなくなるなどの悪影響が表れる。

社会的時差ぼけ
平日と休日で就寝・起床時間に大きな差があることで体内時計に乱れが生じること。2時間以上の社会的時差ぼけは睡眠の質を低下させるだけでなく、日中に強い眠気を感じさせて日常生活に影響を与える。ソーシャルジェットラグとも呼ばれる。

熟眠障害
不眠症の一つで、十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず、熟睡できた気がしない状態。睡眠によって疲れがとれず、だるさや頭痛などの症状が表れる。

女性ホルモン
卵巣から分泌される、女性の健康や精神状態に大きな影響を与えるホルモン。「エストロゲン(卵胞ホルモン)」と「プロゲステロン(黄体ホルモン)」の2種類がある。40歳を過ぎるとエストロゲンの分泌量は急激に低下し、ほてりやのぼせ、頭痛などの更年期症状を引き起こす。

徐波睡眠
4段階に分類されるノンレム睡眠のうちで深い2段階の睡眠。

自律神経
自分の意思に関係なく、血圧や呼吸、内臓の働き、代謝など体内機能のほとんどを調整して、身体を健康的な状態に保つ神経系のこと。主に日中に働く交感神経、夕方から夜間にかけて優位になる副交感神経がある。

睡眠関連運動障害
就寝前後や眠っている間に起こり、睡眠の妨げとなる体の動き。代表的な疾患には、夕方から夜間にかけて下肢に違和感を覚えて動かさずにいられなくなる「むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)」や、睡眠中に腕または脚、あるいはその両方をを動かしたいという衝動に駆られる「周期性四肢運動障害(PLMD)」がある。

睡眠関連呼吸障害
睡眠中に呼吸の異常が発生する疾患の総称。代表的な病気には、眠っている間に気道がふさがって呼吸が停止する「閉塞時無呼吸症候群(OSAS)」がある。肥満の人やあごが小さい人が罹患しやすい。

睡眠時無呼吸症候群
眠っている間に何度も呼吸が止まったり、呼吸が浅い低呼吸を起こしたりする病気。1時間に5回以上、10秒以上の無呼吸・低呼吸状態が繰り返された場合に睡眠時無呼吸症候群と診断される。いびきが大きな人や肥満の人、下あごが小さい人が罹患しやすい。放置すると高血圧や糖尿病、心筋梗塞、脳卒中など命に関わる重篤な病にかかるリスクが高くなる。

睡眠時遊行症
いわゆる「夢遊病」で、睡眠中に意識がないまま歩き回る症状。6歳頃から症状が表れ、12歳頃までに睡眠機能の発達とともに落ち着く。

睡眠時随伴症
眠っている間に起こる異常行動や好ましくない体験。睡眠中に突然叫び声や泣き声を出す夜驚症(やきょうしょう)、寝床を離れて歩き回る睡眠時遊行症(夢遊病)、攻撃的な動きをするレム睡眠行動障害などがある。

睡眠障害
睡眠に関係する病気の総称。大きく分けると不眠症・過眠症・睡眠時随伴症がある。

睡眠相後退症候群
概日リズム睡眠障害の1つで、就寝・起床時間が極端に遅くなる症状。夜型の生活になることで朝に起きられず、登校や出勤に支障をきたして社会的な生活を送ることが困難になる。

睡眠相前進症候群
概日リズム睡眠障害の1つで、生体リズムが前倒しになることで就寝・起床時間が極端に早くなる症状。高齢者に多く、夕方に強い眠気を感じたり、早朝に覚醒したりする。

睡眠の質の評価指標
厚生労働省が示した、睡眠に関する指標。
⒜体温や自律系などの概日リズムが外界の24時間昼夜変動に同調し、適正な振幅を確保している(昼と夜のメリハリが明瞭である)こと。
⒝それらの概日リズムと睡眠-覚醒のサイクルとが内的脱同調せず、両者の位相角(たとえば体温リズムが下降する途中のどのタイミングで睡眠が始まるか)が安定していること。⒜とあわせると、睡眠-覚醒のサイクルの規則性が確保されていることになる。
⒞個人に必要な睡眠の量(時間)が確保され、日中に過度の眠気や意図しない居眠りが生じないこと。さらに、日中の心身の状態が自分の生活スタイルにとって適切な状態であること。
⒟睡眠の安定性が確保されていること。すなわち、ノンレム-レム睡眠のサイクルがある程度規則的で中途覚醒が少ないこと。さらに、睡眠前半に必要な徐波睡眠を確保し、睡眠中盤から後半にかけて出現するレム睡眠が覚醒などで途切れず、ある程度まとまりがあること。
⒠概日リズムおよび睡眠-覚醒のサイクルと個人の生活サイクルとの位相角が適切であること。たとえば、起床するべき時刻より少し前に体温の最低点が過ぎ、体温が上昇し始めるなど覚醒の準備が整った頃に起床できること。
⒡就寝してから入眠するまでに過度の時間を要しないこと。つまり、睡眠潜時が気にならない程度の長さであれば問題はなく、逆に潜時が極端に短い(数分以内)ことは睡眠量不足の可能性もあるので適切でない。健康睡眠とは安定した睡眠と日中の健全な行動が出来ること。(注:「すぐ眠れる」にも適正な範囲がある)
⒢睡眠の終了(覚醒の開始)から起床して行動を開始するまでの推移が円滑であること。つまり、寝起きが時間的にも主観的にも良好であること。
⒣睡眠について主観的な満足度(熟眠感など)が得られていること。
⒤日中の状態について、過度の疲労感がなく、主観的な満足度(意欲など)が得られていること。

睡眠負債
日々、少しずつ睡眠不足が蓄積することで、心身に悪影響を与えている状態のこと。ある研究では、たった2日間の睡眠負債でも抑う・不安が惹起されることが明らかになっている(※)。
※ 睡眠・覚醒リズム特性と求められている社会時刻との不調和による心身の異常とその病態生理/秋田医学 第46巻,2019-06-30,11-19

睡眠不足症候群
慢性的な睡眠不足によって、日中に強い眠気や疲労感があったり、集中力が低下したりする症状が3カ月以上にわたって続く病気。

睡眠ホルモン
脳の内分泌器の1つである松果体から分泌されるホルモン「メラトニン」のこと。メラトニンには概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する役割があり、睡眠や覚醒、ホルモン分泌などに作用する。
朝日を浴びることで分泌が始まるホルモン「セロトニン」を原料に、夕方から夜にかけて分泌される。メラトニンは太陽の光を浴びてから約14~15時間後に分泌が始まり、メラトニンが分泌されると手足が温かくなって深部体温が低下し、眠気を感じるようになる。
しかし、起床後に日光を浴びなかったり、食事の時間が不規則だったりと様々な要因によってセロトニンが不足している場合、メラトニンの分泌量が低下して不眠を引き起こす可能性が高まる。
また、就寝前にスマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトによっても分泌量が減少し、寝つきを悪くする要因の一つとなる。加齢とともに分泌量が低下することが分かっている。

成長ホルモン
生涯にわたって分泌され続けるホルモンで、加齢に伴って分泌量が低下する。子供の頃には骨や筋肉を発達させ、思春期になると性的な成熟を促進。大人になると肝臓や脂肪、糖などの代謝を促すほか、免疫機能の促進や脳の認知機能にも影響を及ぼす。成長ホルモンはノンレム睡眠時に多く分泌され、特に寝ついてからの3時間が最も分泌量が増える。

セロトニン
“幸せホルモン”とも呼ばれる神経伝達物質の1つ。精神を安定させる作用があり、不足するとうつ病やパニック障害などを引き起こす。

早朝覚醒
不眠症の一つで、予定している起床時間よりも2時間以上早く目が覚めて二度寝ができない症状。高齢者に多く見られ、体内リズムが前倒しになることで発生すると考えられる。また、うつ病の場合にも多く見られる。

ソーシャルジェットラグ
平日と休日で就寝・起床時間に大きな差があることで体内時計に乱れが生じること。2時間以上のソーシャルジェットラグは睡眠の質を低下させるだけでなく、日中に強い眠気を感じさせて日常生活に影響を与える。社会的時差ぼけとも呼ばれる。
た行
体内時計
体内機能の調節を行う、生体リズム。体内時計が乱れると不眠や肥満、糖尿病、抑うつ、認知症などのリスクが上昇する。朝日を浴びたり、規則的な毎日を送ることで整う。

中途覚醒
不眠症の1種で、1度寝ついても起床時刻までの間に何度も目覚める症状。おもな原因としてストレスの蓄積が考えられている。ストレスがたまると自律神経のバランスが乱れ、夜になっても交感神経が優位なままとなり脳や身体が興奮状態となって眠りが浅くなる。また、睡眠時無呼吸症候群の人も呼吸の停止と再開のタイミングで目が覚めやすい。

DHA
正式名称は「ドコサヘキサエン酸」で、体内で生成できない不飽和脂肪酸の1種。中性脂肪を低下させて血液をサラサラにしたり、血圧を下げたりするほか、免疫反応の調整や脂肪細胞の燃焼を促す作用がある。

糖尿病
大きく分けて「1型糖尿病」と「2型糖尿病」がある。
「2型糖尿病」は中高年で発症することが多く、発症要因として生活習慣の悪化や運動不足、肥満などが挙げられる。症状としては、インスリンの分泌量が低下したり、インスリンが効きにくくなったりして血糖値が上昇する。症状が表れないことも多く、気付かないうちに進行していることも少なくない。
「1型糖尿病」は若年を中心とした幅広い年齢層で発症し、急激に進行する。そのため、発症後はすぐにインスリン補充の治療が必要となる。

トリプトファン
必須アミノ酸の1つ。“幸せホルモン”と呼ばれる神経伝達物質「セロトニン」の原料。大豆製品(豆腐・納豆・味噌・醤油)、乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルト)、発芽玄米、ブロッコリー、ケール、バナナなどに多く含まれている。1日の摂取推奨量は体重1kgにつき2mg程度。トリプトファンがセロトニンを生成する際にはビタミンB6も必要なため、トリプトファンとビタミンB6が含まれる食材を使ったメニューを食べると睡眠の質を高めるのに効果的。
な行
ナイトルーティン
就寝前に行う習慣。入浴やストレッチなど毎晩同じ行動をとることで、一連の流れが睡眠スイッチとなって、スムーズに寝つけるようになる。入眠儀式とも呼ばれる。

ナルコレプシー
過眠症の代表的な疾患で、日中に場所や状況に関係なく強烈な眠気に襲われて眠りこんでしまうのが特徴。入眠時に鮮明な悪夢や幻覚を見たり金縛りにあったりするほか、怒った時や大笑いした時、驚いた際などに全身の力が抜ける情動脱力発作もある。10代~20代前半に発症する例が多く、特に14歳~16歳が多い。

入眠儀式
就寝前に行う習慣。入浴やストレッチなど毎晩同じ行動をとることで、一連の流れが睡眠スイッチとなって、スムーズに寝つけるようになる。ナイトルーティンとも呼ばれる。

入眠障害
不眠症の1種で、寝床に入ってから30分~1時間以上経過しても入眠できない症状。主な原因としてストレスやうつ病、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)が考えられる。また、40代以上の女性は更年期障害の症状によって入眠が妨げられる場合もある。

眠りのゴールデンタイム
入眠してから最初に訪れるノンレム睡眠の時間。ノンレム睡眠は深さによって4段階に分類されるが、眠りについてから最初に第3~4段階のもっとも深い睡眠状態になる。その間に成長ホルモンが多く分泌され、疲労回復や肌の調子を整える作用をもたらす。

ノンレム睡眠
“深い眠り”とも呼ばれる、眼球運動がない睡眠状態。眠りの深さによって4段階に分類され、3~4段階の睡眠は脳波の形から「徐波睡眠」とも呼ばれる。入眠後にまず始まるのが第3~4段階の深い睡眠状態で、成長ホルモンが多く分泌されて身体を健康的な状態に回復させようとする。睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠が約90分~120分ごとに繰り返し出現し、明け方の覚醒に向けてノンレム睡眠の割合が減少していく。
は行
ビタミンB6
免疫機能の向上や、脂質の代謝、皮膚を正常な状態に整える作用がある。また、トリプトファンからセロトニンが生成される時にも必要な栄養素。マグロをはじめとした赤身の魚や、ささみ肉などの脂質が少ない肉、バナナ、パプリカ、玄米などに多く含まれている。

副交感神経
自律神経の1種。夕方から夜にかけて優位になる。心拍数や血圧を低下させ、筋肉の緊張を緩めて心身をリラックスモードへと切り替える。就寝時に副交感神経が優位な状態であると寝つきがよく、睡眠の質が向上する。

不眠症
睡眠障害の1種で、
・入眠障害(寝つきが悪い)
・中途覚醒(眠っている途中で何度も目覚める)
・早朝覚醒(起床予定時刻より2時間以上早く目が覚めて、その後寝つけない)
・熟眠障害(十分に睡眠時間を確保しているのに熟睡できた気がしない)の4つに分類される。
睡眠障害の中ではもっとも頻度が高く、日本人の5人に1人が何らかの睡眠障害を抱えているとされている。不眠は高血圧や肥満、糖尿病といった生活習慣病をもたらすだけでなく、認知症のリスクを上昇させる可能性も高い。また、不眠の人はその後3年間のうつ病発症リスクが4倍であるという調査結果や、不眠が1年以上続いていた場合はうつ病の発症リスクが40倍に達するという報告もある(※)。
※駒田 陽子, 井上 雄一, 睡眠障害の社会生活に及ぼす影響(シンポジウム : 心身機能と睡眠障害,2006年,第47回日本心身医学会総会(東京)), 心身医学, 2007,47巻, 9号, p.785-791

ブルーライト
スマートフォンやパソコンの画面などから発せられている光。目の奥まで届く強い光で、寝る前にスマホやパソコンを見ると睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌を止めてしまう。

プロゲステロン
女性ホルモンの1つで「黄体ホルモン」とも呼ばれる。排卵直後から分泌量が増加し、子宮内膜を安定させたり、乳腺を発達させたりといった妊娠に向けて身体の機能を準備する作用がある。
ま行
むずむず脚症候群
レストレスレッグス症候群とも呼ばれ、夕方から夜にかけて下肢にムズムズしたりピリピリしたりといった不快感を覚え、動かさずにはいられない症状。下肢を動かすとし不快感は緩和される。就寝時に症状が表れると不眠の原因になる。40歳以上の女性に多い症状で、原因として鉄欠乏性貧血や糖尿病、関節リウマチなどが挙げられる。

夢遊病
睡眠時遊行症。睡眠中に意識がないまま歩き回る症状。6歳頃から症状が表れ、12歳頃までに睡眠機能の発達とともに落ち着く。

メラトニン
脳の内分泌器の1つである松果体から分泌されるホルモン。「睡眠ホルモン」とも呼ばれる。メラトニンには概日リズム(サーカディアンリズム)を調整する役割があり、睡眠や覚醒、ホルモン分泌などに作用する。
朝日を浴びることで分泌が始まるホルモン「セロトニン」を原料に、夕方から夜にかけて分泌される。メラトニンは太陽の光を浴びてから約14~15時間後に分泌が始まり、メラトニンが分泌されると手足が温かくなって深部体温が低下し、眠気を感じるようになる。
しかし、起床後に日光を浴びなかったり、食事の時間が不規則だったりと様々な要因によってセロトニンが不足している場合、メラトニンの分泌量が低下して不眠を引き起こす可能性が高まる。
また、就寝前にスマホやパソコンの画面から発せられるブルーライトによっても分泌量が減少し、寝つきを悪くする要因の一つとなる。加齢とともに分泌量が低下することが分かっている。
や行
夜驚症
やきょうしょう。子どもに多い睡眠障害の1つで、眠っている時に叫び声をあげながら起き上ったり、恐怖に怯える表情や動作を見せたりする。3歳~6歳頃に起こりやすく、成長とともに症状はなくなる。
ら行
ラフマ
中央アジアに自生するハーブの1種。中国では、古くからラフマの葉がお茶として日常的に親しまれてきた。アミノ酸やフラボノイドを豊富に含んでいて、健康増進効果がストレス緩和作用が期待できる。

レストレスレッグス症候群
むずむず脚症候群とも呼ばれ、夕方から夜にかけて下肢にムズムズしたりピリピリしたりといった不快感を覚え、動かさずにはいられない症状。下肢を動かすとし不快感は緩和される。就寝時に症状が表れると不眠の原因になる。40歳以上の女性に多い症状で、原因として鉄欠乏性貧血や糖尿病、関節リウマチなどが挙げられる。

レプチン
満腹中枢を刺激して、食欲をコントロールするホルモン。食べすぎを防いだり、エネルギー代謝を活発にしたりする。睡眠不足の状態では分泌量が減少する。

レム睡眠
急速眼球運動(Rrapid Eye Movements)を伴う睡眠状態。身体は休息しているが、脳は覚醒して記憶の整理や定着などを行っている。そのため、レム睡眠の割合が減少すると記憶力の低下や認知症リスクが上昇する恐れがある。睡眠中はノンレム睡眠とレム睡眠が約90分~120分ごとに繰り返し出現し、明け方の覚醒に向けてノンレム睡眠の割合が減少していく。

レム睡眠行動障害
睡眠時随伴症の1種で、見ている夢に関係する寝言を言ったり、異常行動をとる。悪夢を見ることが多いとされ、夢に伴った激しい動きをすることで自ら怪我を負うだけでなく、一緒に寝ているパートナーや家族に暴力をふるってケガをさせる例もある。
ひつじ