最終更新日:2024.12.06
寝ても疲れがとれない、朝から体がだるい、1日中倦怠感がある…。そんな経験はありませんか?
通常、日中にたまった疲れは寝ている間に解消されます。
しかし、様々な原因によって眠っても疲れがとれず、翌日に持ち越したり、どんどん蓄積していったりする場合が少なくありません。
今回は、寝ても疲れがとれない原因や疲労回復効果を高める方法、疲れ対策のために摂りたい食べ物などを、睡眠アドバイザーとしての知識を織り交ぜながらご紹介します。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
目次
「疲れた」と感じるのは、どのような症状がある時でしょうか?
「疲れ」の代表的な症状
疲れには大きく分けて「肉体的な疲れ」「精神的な疲れ」「脳の疲れ」「病気による疲れ」の4タイプがあり、原因がそれぞれ異なります。
睡眠時無呼吸症候群
(Sleep Apnea Syndrome:SAS)
睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に呼吸が止まったり、低酸素状態が繰り返し起こったりすることで睡眠の質が悪化しやすい傾向にあります。
そのため、日中も疲労感や倦怠感、強い眠気に見舞われることが多くなり、集中力が低下して仕事や勉強の効率が低下します。
慢性疲労症候群
(Chronic Fatigue Syndrome:CFS)
慢性疲労症候群は、1980年代にアメリカで発見された病気であり、30代~50代の女性に多いことが分かっています。
症状として、十分な休息をとっても疲労が回復しない、微熱や頭痛がある、体に力が入らない、睡眠障害(熟睡感、回復感を伴わない睡眠)などがあり、日常生活を送ることが困難です。
はっきりとした原因は解明されていませんが、ストレスや感染症によるものと考えられています(※1)。
慢性疲労症候群の患者に対して発症時の症状を尋ねたところ、「肉体的精神的疲労」が92.0%、「疲労回復しない睡眠障害」が90.4%と大部分を占めています。
さらに、調査時点で6カ月以上続いている症状として「肉体的精神的疲労」が88.8%、「疲労回復しない睡眠障害」が88.8%、「回復に24時間以上かかり悪化傾向」が86.3%にも上りました。
また、患者が自覚する症状悪化の原因として「睡眠障害」を挙げた人は全体の46.2%であり、「安定して眠れるか」の質問に対して「はい」と回答したのは重症群で15%、中等症群で25.6%、軽症群では40.5%でした。
このことから、重症度が高いほど安定して眠れないことが分かっています(※2)。
うつ病
うつ病の代表的な身体的症状に、疲れやすさや全身倦怠感があります。
うつ病と睡眠障害には密接な関係があり、寝つけなくなる、眠っている途中で目覚めることが増えるなどの症状が表れます。
睡眠の質が低下することで、ますます疲労感や倦怠感が増すという悪循環に陥ってしまいます。
疲れをとるためにやっていることや口にしている飲み物・食べ物が、実は疲労感を悪化させている場合があります。
疲労回復効果を期待してやりがちなNG方法の代表的な例を挙げていきましょう。
心当たりがある人は、要注意です。
眠気覚ましや集中力アップ、肉体疲労時の栄養補給のためにコーヒーや栄養ドリンクをがぶ飲みしていませんか?
コーヒーや栄養ドリンクには、覚醒作用があるカフェインが多く含まれています。
カフェインを過剰に摂ると、寝る時間になっても脳の興奮・緊張状態が継続。
ベッドに入っても寝つけず、眠りも浅くなります。
その結果、睡眠による疲労回復効果が得られなくなり、疲れが抜けないまま翌朝を迎えることになるのです。
ブドウ糖には疲労回復効果があり、適量の摂取は疲れをとるのに効果的です。
しかし、お菓子などで糖分を過剰に摂ると血糖値が急上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが大量に分泌されて低血糖状態になります。
低血糖状態になると倦怠感や眠気、頭痛などの症状が引き起こされ、疲れを感じさせます。
睡眠負債とは、毎日の睡眠不足が借金のように積み重なった状態のことです。
平日にたまった睡眠負債を返すために、休日に長時間の寝だめをするという人も少なくないでしょう。
しかし、平日と休日で起床・就寝時間が大幅にずれると、ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)と呼ばれる体内時計のずれが生じて疲労が悪化する要因となります。
また、生活リズムが大きく変動することで自律神経が乱れ、体調不良や便秘の原因にも。
平日と休日の起床・就寝時間は2時間以上ずらさないようにしましょう。
熱いお湯は交感神経を刺激して心身を興奮状態にするため、寝つきが悪くなります。
疲労回復に効果的な入浴方法は、就寝時間の約2時間前に38℃程度のぬるいお湯に10分~15分程度浸かること。
高いリラックス効果が得られて良質な睡眠を得られるでしょう。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
疲れていると、つい食事も手を抜いてしまいがちです。
しかし、そんな時こそ栄養バランスの良いメニューをしっかり食べることが大切です。
疲労回復効果が期待できる栄養素を含んだ食べ物を紹介します。
鶏むね肉には、イミダゾールジペプチド(イミダペプチド)という成分が豊富に含まれています。
イミダペプチドには強い抗酸化作用や抗疲労作用、抗糖化作用などがあります。
老化の原因とされる活性酸素の消去作用や、アルツハイマー型認知症での脳神経細胞死の防止効果でも注目を集めている成分です(※1)。
鶏むね肉は高タンパク質で低脂肪なため、生活習慣病が気になる人でも抵抗感なく使える食材でしょう。
豚肉には、ビタミンB1が多く含まれています。
ビタミンB1はブドウ糖からエネルギーを生成するために欠かせない栄養素であり、不足すると疲労感やだるさ、食欲不振などの症状が表れます。
ビタミンB1は、ニンニクやニラ、ネギなどに多く含まれている物質「アリシン」と反応すると「アリチアミン」という成分を生成。
アリチアミンには水に溶けにくく熱に強いという特徴があり、調理による栄養分の損失を防止できます(※2)。
甘酒にはアミノ酸やビタミンB群、ブドウ糖が豊富に含まれ、その栄養価の高さから「飲む点滴」とも呼ばれています。
女子学生20名を対象に「甘酒摂取による疲労改善効果と便秘改善効果」について実験を行ったところ、4週間の実験期間中に毎日コップ1杯の甘酒を摂取した群は、非摂取群に比べて「集中力」と「身体的違和感」の項目で得点が有意に改善されました。
この結果から、甘酒を習慣的に飲むことが疲労軽減につながることが予想できるでしょう(※3)。
また、疲労が改善されると腸内環境が整い、便秘も解消できると考えられます。
腸と脳は相互に影響を与え合う「脳腸相関」の関係であるため、便秘が改善することで睡眠の質が高まり、良質な眠りによって疲労が解消されるという良い流れが生まれるのです。
梅に多く含まれているのが、疲労回復効果が高いクエン酸です。
激しい運動をした後は、筋肉疲労を起こす原因とされる乳酸が体内に蓄積し、疲れを感じさせます。
クエン酸には乳酸の大量発生を抑制する効果があるため、梅干しを食べると早めの疲労回復が期待できるでしょう。
※1:柳内延也. "イミダゾールジペプチド." 日本食品科学工学会誌 61.1 (2014): 45-45.
※2:堀美智子「薬局で経験したビタミンあれこれ (平成28年度日本ビタミン学会市民講座公開要旨)」ビタミン91.1 (2017): 68-69.
※3:國司悠莉子, and 浅井美穂. "甘酒摂取による便秘・疲労改善効果についての検討." 岡山県立大学保健福祉学部紀要/岡山県立大学保健福祉学部 [編] 25 (2018): 99-104.
今回は、寝ても疲れがとれない原因や、疲労回復に効果的な栄養分などをご紹介しました。
一晩眠っても疲れがとれない場合は、睡眠の質が低下している可能性も考えられます。
寝る前はスマホを見ない、時にはカフェイン断ちをする、就寝前に軽いストレッチを行うなど、良質な眠りを得るために生活習慣や食生活を見直してみませんか。
疲れがたまりすぎて食事から必要な栄養素が摂取できない場合は、補助的にサプリメントを活用するのも一つの方法です。
睡眠の質を高める成分を配合したサプリメントなら、穏やかに作用して良質な眠りを期待できるでしょう。
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