最終更新日:2023.07.07
「毎朝、目覚ましが何度か鳴らないと起きられない」「目が覚めてもしばらくの間、寝床でボーッとしている」。スッキリとした気分で起きられないと、その日のやる気や元気が湧いてきませんよね。
そこで今回は、睡眠アドバイザーとしての知識を織り交ぜながら、朝早く起きる方法をはじめ、早起きのコツや朝型人間になることのメリット、二度寝の予防法などについて解説します。
朝寝坊しがちな人や、起きた時から疲れている人、睡眠の質を上げてスッキリ目覚めたい人人は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品の開発や販促に12年以上携わる中で、ストレスや不安感から睡眠不足に悩まされ続けた自身の睡眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士 中級」の資格を取得。
自らの知識と経験を基に機能性表示食品「睡眠体験」を開発するとともに、多くの悩める方々へ睡眠栄養指導士として睡眠の改善に関する情報を随時発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
早起きが苦手な人は、そもそも睡眠時間が不足している傾向にあります。
適切な睡眠時間は20代~50代の人は6.5時間~7.5時間、60代以上では6時間程度。必要な睡眠時間は人によって差があるため、日中にひどい眠気を感じて仕事や勉強に支障をきたさない程度の睡眠時間がとれていれば問題ないでしょう。しかし、早起きが苦手な人は睡眠時間が足りていないために、目覚ましが鳴っても起きられず、起きたとしても動き出せないのです。
朝起きられない理由には、単に睡眠時間が短いだけでなく、睡眠の質が低下している可能性も。就寝時間が毎日バラバラだったり、夕食時間が遅かったりすると体内時計が狂い、睡眠サイクルも乱れます。睡眠サイクルの乱れによって眠りが浅くなり、起床時間になっても起きられない事態を引き起こすのです。
睡眠の質が低いと朝起きられないばかりでなく、本来であれば寝ている間に多く分泌されるはずの成長ホルモンがあまり分泌されなくなって、睡眠中の疲労回復や記憶の整理・保存などに悪影響が出るほか、肥満や高血圧など生活習慣病の発症リスクを上昇させます。
たかが朝寝坊」「ただの睡眠不足」と軽く見てはいけないのです。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
昔から「早起きは三文の徳」と言われてきたように、早起きにはメリットがたくさん。生活リズムを朝型にすることで、様々な変化が表れます。
ある実験で、夜型の人は朝のパフォーマンスが極端に低く、朝型の人はほとんど1日を通して力を発揮できることが分かっています(※)。日中の生産性が上がれば、仕事や勉強の効率も上がるでしょう。
※柴田重信. "体内時計と食事・運動の関係性について." Sports Nutrition Academy 28.1 (2021): 16-23.
早起きをすると朝の時間に余裕ができるため、しっかりと朝食を食べられます。
朝食は1日のリズムを整え、体調を整える存在。朝食に血糖値が上がりにくい食べ物を摂れば、昼食時の急な血糖値の上昇も抑えられます。1日3食食べることは、肥満防止にもつながります。
眠っている間に、脳の記憶は整理・保存されます。そのため、起きた時には脳はスッキリとクリアな状態に。集中力や記憶力も高まっているので、朝に重要な勉強や仕事を行うと効果的です。
早起きが得意な朝型人間は、質が高い睡眠を得られています。睡眠の質は心身の健康状態と大きく関係しているため、朝に強い人は良好な健康状態を保てるでしょう。
夜型の人は慢性的な睡眠不足と翌日に疲労を持ち越す傾向が強いことが、学生524人を対象に行った調査によって明らかとなりました(※)。
夜型の人は眠りが浅く睡眠サイクルが乱れがちなため、眠っている間も身体や脳が十分に休息できていない可能性があります。
※松井知子, et al. "学生の健康管理に関する研究: 生活習慣と朝-夜型生活リズムとの関連." 杏林医学会雑誌 20.4 (1989): 447-454.
朝早く起きるのが苦手な人も、生活習慣を少し変えるだけでスッキリとした気分で早起きできるようになります。
目覚ましの音は、複雑でリズム感があるメロディーを選びましょう。段々音量が大きくなるように設定するのがおすすめです。
スヌーズ機能を使用すると、本来の起床時間からだんだんと後にずれていき、何時に起きるべきなのか脳が混乱する可能性が高くなります。「〇時に必ず起きる」とはっきり決めることが大切です。
カーテンの隙間から差し込む光で身体が自然に目覚めます。また、起床してすぐに太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、セロトニン分泌が始まって気持ちもアップ。セロトニンが多く分泌されることで、睡眠の質も上がります。
冬場は寝室が寒いと布団から出たくなくなり、夏場は暑さによる寝苦しさで睡眠の質が低下して寝起きが悪くなります。起床時間に合わせて適温になるようエアコンのタイマーを設定しておけば、快適に起きられて頭もスッキリするでしょう。
「早起きして英語の勉強をする」「朝の時間にヨガをする」「朝食に好きなものを食べる」など、早起きする目的を明確に決めておくことで朝の目覚めが良くなります。
睡眠の質が高くなると、眠っている間に成長ホルモンが分泌され、心身の疲労回復や細胞の修復などが行われます。目覚めが良くなり、健康状態も整います。
睡眠の質を高めて深く眠り、朝スッキリ目を覚ます方法とは? >>詳しく見る
せっかく早起きしても、二度寝してしまっては意味がありません。二度寝を防止する効果的な方法をご紹介します。ベッドや布団の中で実践してみてくださいね。
二度寝を防ぐ方法
今回は、気分良く早起きするための方法について解説しました。朝早く起きることができれば、朝の時間を有効活用できて充実した1日を送れるようになるでしょう。
朝早く起きられない人は、寝る時間が遅すぎる、あるいは睡眠の質が低下している可能性があります。生活サイクルが夜型になっている人は、良質な睡眠時間のためにも体内時計を朝型へ戻すように生活習慣を変えてみませんか。