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寝不足で吐き気を感じるのはなぜ?睡眠不足で気持ち悪い時の対処法

最終更新日:2024.1.5

寝不足で吐き気を感じるのはなぜ?睡眠不足で気持ち悪い時の対処法

寝るのが遅くなったり、夜中に何度も目が覚めたりして寝不足の日。起きてすぐに吐き気を感じたり、日中に気持ち悪くなったりした経験がある人も多いのではないでしょうか?

“胃の辺りが重い”“胸やけがする”などの不調は、寝不足が原因かもしれません。

回は、睡眠アドバイザーとしての知識を織り交ぜつつ、寝不足で吐き気が起こる理由や、気持ち悪いときの対処法、睡眠不足が原因の吐き気を予防する方法などをご紹介します。

原因不明の吐き気や気持ち悪さを感じることが多い人は、思い当たることがないかチェックしてみてくださいね。

パーソナル睡眠アドバイザー 健康管理士一般指導員 小田健史

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

睡眠栄養指導士

小田 健史

健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!

<資格>
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
 睡眠栄養指導士® 中級
 パーソナル睡眠アドバイザー®
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
 健康管理士 一般指導員

寝不足で吐き気が起こる原因とは?睡眠と吐き気の関係

寝不足で吐き気がしたり、気持ちが悪くなったりするのはなぜなのでしょうか?

まずは、睡眠不足によって吐き気が引き起こされる理由について解説します。

自律神経の乱れ

体の代謝や消化、発汗など様々な機能を、自分の意思とは関係なく自動的にコントロールしているのが自律神経です。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の2種類があり、それぞれ異なる働きをしています。

    • 交感神経

    • 日中の活動的な時間帯に優位になり、身体を興奮・緊張状態にする。心拍数や血流を増やして血圧を上げる。胃腸の活動を抑制する。
    • 副交感神経

    • 夕方から夜間に優位になり、身体をリラックスさせる。心拍数や血流を低下させて血圧を下げる。胃腸の活動を促進する。
  • 交感神経と副交感神経

しかし、自律神経は不規則な生活やストレスの蓄積などですぐに乱れてしまいます。

自律神経の乱れによる影響は全身に及び、頭痛やめまい、手足の冷えや肩こり、眼精疲労など実に様々です。不安感やイライラ、抑うつ状態など精神状態に影響を与えることも少なくありません。

睡眠とも深い関わりがあり、自律神経が乱れて交感神経と副交感神経の切り替えがスムーズに行われなくなった場合、睡眠の質が低下します。

自律神経がバランスを崩すと、就寝時間になっても交感神経が優位なままで緊張・興奮状態が持続し、寝つきが悪くなったり、眠れたとしても浅い睡眠になったりして寝不足になるのです。

睡眠中は副交感神経が優位となって消化を促進しますが、寝不足の状態では腸の動きが鈍くなり、消化不良になります。これが、寝不足によって吐き気が引き起こされるメカニズムなのです。

寝不足によって吐き気が引き起こされるメカニズム

また、自律神経の乱れは胃の働きにも影響を与え、胃酸の過剰な分泌を招きます。胃酸過多が原因となる主な症状は、吐き気や胃もたれ、胃痛、喉の違和感、胃酸による口臭などです。

胃酸過多を放置すると、逆流性食道炎や胃潰瘍といった病気を引き起こす可能性があるため、軽視できません。

頭痛

頭痛と睡眠障害は相互に関係が深いことが分かっています。ある実験では、睡眠時間が6~8時間の場合、6時間未満または8時間以上の場合に比べて頭痛が起こる日数が少ない、あるいは起こらない日も多かったという結果が報告されています(※)。

この結果から、睡眠時間が短すぎても長すぎても頭痛が起こると言えるでしょう。

頭痛と睡眠障害は相互に関係が深い

片頭痛に伴う症状として、吐き気や嘔吐があります。そのため、寝不足になると頭痛とともに吐き気を感じることが多いのです。

※:宮本雅之. "頭痛疾患における睡眠障害とその対策." 神経治療学 35.4 (2018): 556-560.

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寝不足で気持ちが悪い時の対処法!吐き気を抑える方法とは

睡眠不足によって吐き気が起こる主な原因は、自律神経の乱れによるものです。しかし、バランスが崩れた自律神経を正常な状態に戻すには、ある程度の時間が必要です。そこで、すぐに実践できる簡単な吐き気対策をご紹介します。

水分補給

吐き気がする時は、胃酸の分泌量が増加して胃酸過多になっている可能性があります。胃酸過多の改善には、水分補給が効果的。水分を摂取することで胃酸を流し、胃酸が過剰な状態を解消できるでしょう。

水の理想的な1日あたりの摂取量は、成人で1.2ℓ程度とされています。冬場は喉の渇きを感じにくく、水分量が不足しがちです。特に高齢者は喉の渇きを感じにくい傾向があり、気付かないうちに脱水症状を起こしている場合があります。喉の渇きを感じる前に、こまめに水分を摂取するようにしましょう。

水分補給

胃腸に優しい食べ物を摂取する

吐き気がするときは、脂質が多いものや刺激が強い香辛料は避けた方がベター。おかゆやうどんなど消化が良い炭水化物、白身魚や卵、豆腐など脂質がほとんど含まれないタンパク質を摂るようにしましょう。

吐き気を抑える効果があるツボを刺激する

全身にあるツボの中には、吐き気の改善や自律神経を整える効果が期待できるものがあります。イタ気持ち良い程度の強さで刺激してみましょう。

    • 足三里(あしさんり)

    • 膝を曲げた時に、膝の皿の下に出る外側のくぼみから指幅4本分下の位置。
      胃腸の不調をはじめ、膝痛や歯痛などに効果があるとされています。
    • 労宮(ろうきゅう)

    • 手を握った時に、中指と薬指の中間にあたる位置。
      自律神経を整えるツボです。
    • 中脘(ちゅうかん)

    • みぞおちとへそを結んだ線の真ん中。
      消化不良や胃痛など、消化器官に作用するとされています。

昼寝をする

昼食後の午後1時~午後3時の間に10分~20分程度の昼寝をすると、睡眠不足による吐き気や眠気解消に効果的です。ただし、これよりも遅い時間や30分以上の昼寝は夜の睡眠に悪影響を与えて眠りの質を低下させる可能性があるため、控えましょう。

昼寝

吐き気に効く香りを嗅ぐ

爽やかな香りの代表格であるペパーミントやレモンの香りには、吐き気を抑える効果もあります。天然精油をハンカチに1滴垂らして持ち歩くのもおすすめです。

寝不足による吐き気の予防法!自律神経を整えよう

睡眠不足によって引き起こされる吐き気を予防するためには、適切な長さの睡眠時間を確保するだけでなく、眠りの質を高めることが大切です。良質な睡眠を得るのに効果的な方法をお伝えします。

生活リズムを一定にする

寝不足による吐き気が引き起こされる最大の理由は、自律神経の乱れです。

自律神経を整えるのに効果的なのは、規則正しい毎日を送って体内時計を整えること。起きる時間や寝る時間、可能であれば食事を摂るタイミングや入浴の時間も、毎日同じ時間に揃えましょう。

生活リズムを一定にする

トリプトファンが含まれた食材を摂る

睡眠の質を向上させるのに欠かせないのが、“睡眠ホルモン”のメラトニンです。メラトニンは日中に分泌された“幸せホルモン”のセロトニンから生成されますが、そのセロトニンの原料となるのが必須アミノ酸のトリプトファンです。

トリプトファンは体内では生成されないため、食べ物から摂取しなければいけません。また、トリプトファンからセロトニンが生成される際には、ビタミンB6が必要です。トリプトファンとビタミンB6が含まれる食べ物には、バナナや大豆製品、ナッツ類などがあります。

食事によってトリプトファンを摂取するのが難しい場合は、セロトニンを増やす作用がある成分を含んだサプリメントを活用すれば、手軽に睡眠の質を高められるでしょう。

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適度な運動を毎日の習慣にする

ウォーキングやジョギング、簡単な筋トレ、ストレッチなどの軽い運動を毎日行うことで睡眠の質が向上し、寝不足による吐き気を抑えられます。

特におすすめなのが、朝日を浴びながらのウォーキングやジョギングです。目覚めてすぐに太陽の光を浴びることで体内時計をリセットされ、セロトニンの分泌が促されます。

就寝の約2時間前に入浴する

就寝時間の2時間程度前に入浴して体温を上昇させると、体温が低下していく段階で眠気を感じて寝つきが良くなります。熱いお湯は交感神経を刺激して眠れなくなるため、38℃前後のぬるめのお湯へゆったり浸かるようにしましょう。

就寝の約2時間前に入浴する

ストレス発散をする

ストレスの蓄積は、自律神経のバランスを崩す大きな要因です。ストレスがたまっていると、夜になっても交感神経が昂った状態が続き、眠れません。

寝不足による吐き気や気持ち悪さを回避するためにも、自分なりのストレス解消法を何パターンか見つけておくと良いでしょう。

睡眠環境を整える

寝不足の原因として、寝室の温度や湿度、光、音などが睡眠に適していない場合があります。

良い眠りのためには、睡眠環境を整えることも大切。ベッドのマットレスや布団、枕といった寝具の硬さやパジャマの肌触りなども、良質な睡眠を得るためにチェックしたいポイントです。

十分な睡眠時間と質の高い眠りで吐き気を予防しよう

今回は、寝不足と吐き気の関係や対処法について解説しました。

寝不足は、単純に睡眠時間が足りないだけでなく、眠りの質が低下している時にも引き起こされます。寝不足による吐き気や気持ち悪さを防ぐためにも、毎日の生活習慣や食生活で睡眠の質を高めるようにしましょう。

十分な睡眠時間と質の高い眠りで吐き気を予防しよう

あまりに激しい吐き気の場合は、寝不足以外の原因が潜んでいる可能性もあります。吐き気に加えて手足のしびれやひどい頭痛、腹痛、嘔吐などの症状がある場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。

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