最終更新日:2024.2.16
寝つきが悪かったり、長い時間眠った割に疲れがとれていなかったり…。満足できる睡眠がとれていない人は、もしかすると食生活が原因かもしれません。実は食事によってどのような栄養素を摂取したかによって、眠りの質が変わるのです!
今回は睡眠アドバイザーとしての知識を交えながら、睡眠に良い食べ物と栄養素について詳しくご紹介します。
「最近、よく眠れていない」という人は、睡眠の質を上げる食べ物を普段の食事にプラスして、安眠を手に入れましょう!
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
睡眠の質を上げる食べ物を選ぶために重要な、眠りに関連する成分について解説いたします。
トリプトファンはアミノ酸の一種で、睡眠ホルモンとも呼ばれる「メラトニン」の元となる「セロトニン」を分泌するために欠かせません。
トリプトファンは体内で作り出せないため、日々の食事から摂取する必要があります。しかしトリプトファンだけを摂取しても、セロトニンの分泌量は増えません。なぜなら、トリプトファンがセロトニンに変化する際には、ビタミンB6が必要だからです。
そのため、睡眠の質を高めるためにはトリプトファンとビタミンB6の両方を含む食材を意識して食べることが重要なのです。
ストレス緩和効果があるとして注目を集めている「GABA(ギャバ)」も、眠りの質を高めるためには積極的に摂りたい成分。
GABAの正式名称はガンマアミノ酪酸(Gamma-Amino Butyric Acid)と言い、天然アミノ酸の一種です。
GABAは普段から体内で生成されていますが、強いストレスを感じると消費量が増えて不足しがちに。GABAが足りなくなるとイライラしやすくなったり、緊張状態が続いたりして交感神経が昂った状態が持続し、不眠症状を引き起こします。
GABAが含まれる食べ物を摂ることでリラックス効果が高まり、寝つきが良くなって睡眠の質も向上します。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
それでは、睡眠の質を上げる成分が含まれた食べ物を具体的にご紹介します。
コンビニやスーパーでも購入できるものがほとんどですので、仕事の休憩時間や終業後にパッと買って帰れますよ。
乳製品はトリプトファン含有量が多い食べ物の代表格です。100gあたりに含まれるトリプトファンの量は、普通牛乳が46mg、無脂肪無糖ヨーグルトは60mg、パルメザンチーズにはなんと590mg!
乳製品にはカルシウムも多く含まれるため、カルシウム不足によるイライラ緩和にも役立ちます。
生卵100gあたりに含まれるトリプトファンの量は、190mg。目玉焼きにすると220mgと若干ながら上昇するので、快眠のために食べるなら目玉焼きが良いでしょう。
ちなみに、ウスターソースには0.3mg、減塩濃い口醤油には18mg(各100gあたり)のトリプトファンが含まれるため、調味料をかけるなら醤油の方がおすすめです。
大豆が原料の食べ物にも、多くのトリプトファンが含まれています。生の油揚げは100gあたり360mg、調整豆乳なら100gあたり47mg。
昔ながらの朝食メニューとして親しまれている目玉焼きと油揚げの味噌汁は、眠りの質を高めるのにぴったりな組み合わせと言えます。
かつお節にはアミノ酸が豊富に含まれていることが知られていますが、削り節100gあたりのトリプトファン量は驚きの1000mg!
とはいえ、削り節を1度に100g食べるのは現実的ではありません。しかし、豆腐にかけたり漬物にかけたりして料理のアクセントに使えば、効率的に摂取できそうです。
肉類の中でも、特にトリプトファンを多く含むのが鶏肉です。中でも鶏ささみ(生)には100gあたり300mgのトリプトファンが含まれるだけでなく、ビタミン類もたっぷり。ダイエットにもおすすめのヘルシー食材です。
鶏ささみにスライスチーズをのせてオーブンで焼くだけで、手軽にセロトニン増量の一品が作れますよ。
眠りの質を高めるフルーツとして注目されているのがキウイ。
キウイには抗酸化作用を持つビタミンに加え100gあたり14mgのトリプトファンが含まれており、4週間にわたり就寝の1時間前にキウイを2個摂取した結果、被験者の睡眠の質が向上したという研究結果があります(※)。
夕食時や寝る前に食べることで安眠効果が期待できます。同じくトリプトファンが豊富な牛乳やヨーグルトを混ぜたスムージーにするのもおすすめです。
トマトにはGABAをはじめ、強力な抗酸化作用をもつ栄養素のリコピンや、カリウム、ベータカロチンなど豊富な栄養素が含まれています。
良質な眠りのためにはもちろん、健康のために毎日でも食べたい食材です。
ナスに含まれるGABAの量は、100gにつき20~50mg程度。
ある実験では、60℃でナスを加熱すると果実中のGABA含有量が増加し、さらにチーズや味噌などグルタミン酸を含む食材と一緒に調理するとGABA含有量が倍増したという結果が報告されました(※)。
ナスは食物繊維が多くカロリーも低いため、体重が気になる人は積極的に活用したい食材です。
大豆製品である納豆にはトリプトファンが含まれていますが、実はGABAも豊富に含んでいます。
納豆に含まれるGABAでリラックス効果を得て安眠するためには、夕食の時に納豆を食べるのがおすすめです。
成分 | 代表的な食べ物 |
---|---|
トリプトファン |
・チーズやヨーグルト、牛乳などの乳製品 ・卵 ・油揚げや豆乳、納豆などの大豆製品 ・かつお節(削り節) ・鶏肉 ・キウイ |
GABA(ギャバ) |
・トマト ・ナス ・納豆 |
※:堀江秀樹, 安藤聡, and 齊藤猛夫. "ナス果実中の γ-アミノ酪酸含量と加熱による増加." 日本食品科学工学会誌 60.11 (2013): 661-664.
睡眠の質を高める成分のトリプトファンやGABAを含んだ食べ物をご紹介しました。どれもすぐに手に入る物ばかりですので、毎日食べて良質な眠りを手に入れましょう!
もし食事からトリプトファンやGABAを毎日十分に摂取することが難しい場合は、眠りの質を高める成分が配合された睡眠サポートサプリを活用するのも選択肢の一つです。
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