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眠気を覚ます7つの方法 眠い時すぐに試せる対処法

最終更新日:2023.12.19

眠気を覚ます7つの方法 眠い時すぐに試せる対処法

就寝時間が遅くなった翌日や、眠りが浅い、真夜中に目覚めるなど熟睡できなかったせいで、日中に強い眠気を感じた経験がありませんか?眠気を感じていると、仕事や勉強への集中力が低下して困りますよね。

今回は睡眠アドバイザーとしての立場から、日中の眠気を覚ます具体的な7つの方法をご紹介します。仕事中や授業中など、集中しなければいけない場面で眠くなった時にすぐ実践できる対処法ばかりです。眠気に襲われて困った時は、ぜひ試してくださいね。

パーソナル睡眠アドバイザー 健康管理士一般指導員 小田健史

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

睡眠栄養指導士

小田 健史

健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!

<資格>
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
 睡眠栄養指導士® 中級
 パーソナル睡眠アドバイザー®
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
 健康管理士 一般指導員

昼に強い眠気を感じる理由

昼に強い眠気を感じる理由

日中に強い眠気を感じる主な理由には、睡眠時間の不足や眠りの質の低下、血糖値の急上昇が挙げられます。

①睡眠時間の不足

下のグラフは、世界各国の平均睡眠時間を比較したものです。

日本人の平均睡眠時間は7時間22分で加盟国30カ国の中で最も短時間。さらに、日本人女性の平均睡眠時間は7時間22分よりも13分短く、世界一睡眠時間が短いという実態が明らかになっています(※1)。

睡眠時間の国際比較

では、日中に眠気を感じないようにするためには何時間寝たら良いのでしょうか?

「理想の睡眠時間は8時間」と長年言われ続けてきましたが、近年の研究結果では日常的に7時間前後の睡眠をとっている人ほど生活習慣病になるリスクが低いという研究結果が出ています(※2)。

しかし、理想的な睡眠時間の長さには体質などによって個人差があるため、一概に「7時間眠れば良い」とは言い切れません。あくまで目安として、7時間睡眠を目標にしてみましょう。

※1:経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査より

※2:香川靖雄. "時間栄養学による生活習慣病の予防." 体力科学 63.3 (2014): 293-304.

②睡眠の質の低下

仕事中や授業中など日中に強い眠気を感じる原因として、睡眠の質が低下していることも考えられます。

それでは、“質の良い睡眠”とは具体的にどのような眠りのことなのでしょうか?厚生労働省が公表した「質の良い睡眠の評価指標」では、以下のように提唱されています。

  • 質の良い睡眠の評価指標(要約)

    1. 昼と夜のメリハリが明瞭であること
    2. 体内のリズムが安定していて、睡眠―覚醒のサイクルの規則性が確保されていること
    3. 必要な睡眠の量(時間)が確保され、日中に過度の眠気や意図しない居眠りが生じないこと
    4. 睡眠中のノンレム―レム睡眠のサイクルが規則的で、中途覚醒が少ないこと
    5. 体温の上昇など、覚醒に向けて身体の準備が整った頃に起床できること
    6. 寝つきが良く、寝起きが時間的にも主観的にも良好であること
    7. 睡眠について主観的な満足度が得られていること
    8. 日中に過度の疲労感がないこと

この中でも、4番の「睡眠中のノンレム―レム睡眠のサイクルが規則的」という部分は特に注目したい部分です。

睡眠の状態には、浅い眠りである「レム睡眠」と、深い眠りである「ノンレム睡眠」があります。ノンレム睡眠は時間帯によって眠りの深さが異なり、最も深い眠りは入眠してからの90分間程度。その90分間にどれだけ深く眠れたかが睡眠全体の質を左右すると言っても過言ではないほど、重要な時間なのです。

しかし、ストレスや不規則な生活による体内時計の乱れなどで寝つきが悪いと、最初のノンレム睡眠で深く眠れずに睡眠の質が低下することに。たとえ7時間以上眠ったとしても、睡眠の質が低ければ日中に強い眠気を感じることになるのです。その結果、仕事や勉強に集中できずミスが増えたり、成績が低下したりと悪影響をもたらします。

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③血糖値の上昇

食後に強い眠気を感じるのは、糖質が多い食事を摂ることで血糖値が急上昇し、血糖値を下げるためにインスリンが過剰に分泌されることが原因です。

インスリンが大量に分泌されると、今度は血糖値が急低下。これがいわゆる「血糖値スパイク」と呼ばれるもので、強い眠気のほか、集中力が散漫になったり、身体がだるくなったりします。

血糖値スパイクは動脈硬化や認知症、がんなど重篤な病気にもつながる可能性が高く、食生活の改善などで予防することが健康寿命を延ばすためにも大切です。

眠気覚ましに効果的な7つの方法

眠気覚ましに効果的な7つの方法

それでは、仕事中や授業中などに眠気を感じた際にすぐ実践できる眠気覚ましの方法を、具体的にご紹介します。どれも簡単にできるのに効果的!「眠くて仕事に身が入らない」「勉強に集中できない」という時は、ぜひ試してみてくださいね

①カフェインが多く含まれた飲み物を飲む

眠気覚ましと言えば、コーヒーや紅茶、エナジードリンクといったカフェインを含む飲み物の摂取です。ある研究によって、カフェインは摂取してから15~120分で血中濃度が最大になることが分かっています(※)。

カフェインの覚醒効果を効率良く得たいなら、カフェイン摂取後に15分程度昼寝をすることがおすすめです。目覚める頃にカフェインの効果が表れて、その後の時間をスッキリとした気分で過ごせるでしょう。

※:林光緒, and 堀忠雄. "午後の眠気対策としての短時間仮眠." 生理心理学と精神生理学 25.1 (2007): 45-59.

②冷たい水で手首を冷やす

手首には太い血管が通っているため、手首を冷たい水や冷却シートで冷やすと交感神経が活性化して目覚まし効果が得られます。首や足首、ワキを冷やすのも効果的です。ただし、冷やしすぎには注意を。

③ガムを噛む

ガムを噛むと脳に刺激が与えられて、眠気を抑えられます。大学生を対象に行われた調査では、ガム咀嚼が学生の授業中の睡眠を防止するだけでなく、授業後の疲労を軽減し、記憶力の向上にも関与している可能性が明らかになりました(※)。

さらにミント系のガムを選べば、ミントの香りとガムを咀嚼する効果で、より高い眠気覚ましの効果が期待できます。仕事中や勉強中、眠気で効率が低下している時にはミント系のガムを噛んでみましょう。

※:畑田晶子, et al. "ガム咀嚼の授業中睡眠に対する抑制効果." 関西女子短期大学紀要 26 (2016): 17-22.

④ストレッチをする

睡眠には、自律神経が深く関わっています。日中の活動的な時間帯は「交感神経」、夕方からのリラックスした時間帯には「副交感神経」が優位になっています。たとえ日中であっても、眠気を感じている時は副交感神経が優位な状態。そのため、身体を動かして交感神経を活性化することで覚醒効果が得られます。

肩の上げ下げ

肩を上げて少し止め、息を吐きながら力を抜いてストンと落とす。

背中伸ばし

椅子に座った状態で両手を組んで肩の高さまで上げ、前方に伸ばす。その姿勢のまま、おへそをのぞき込むようにして背中を丸める。

腰伸ばし

椅子に座った状態で腰を伸ばし、身体を後ろにひねって背もたれをつかむ。

※:厚生労働省「こころの健康気づきのヒント集」を基に作成

⑤眠気覚ましのツボを刺激する

会議中や会話中など、人に気付かれず眠気を覚ましたい時には、覚醒作用があるツボを刺激するのがおすすめです。

合谷(ごうこく)

手の親指と人差し指の付け根にあるツボが「合谷」です。眠気覚ましのほかに、全身の血流を良くする効果もあります。3秒ほどの指圧を片手ごとに10回程度行いましょう。

中衛(ちゅうしょう)

中指の爪の生え際から2~3mm程度下の部分にあるのが、「中衛」のツボです。ツボを刺激したい手とは逆の手の親指と人差し指で中指を挟むように持ち、10秒程度押します。片手につき3セットほど行うのが効果的です。

労宮(ろうきゅう)

軽く握りこぶしを作った時に、中指と薬指があたる位置にあるツボが「労宮」です。親指でグッと押して刺激すると血行が促進されて、目が覚めます。精神を安定させる効果もあるので、緊張する場面やストレスを感じた時にも押してみましょう。

眠気を覚ますツボ

⑥正座する

正座をすると気持ちが引き締まるという人も多いのではないでしょうか。実際、「正座をすると眠気が抑制される」という実験結果が報告されています(※)。正座が眠気を抑制する理由として考えられているのが、伝統的にあらたまった場で行われる正座が精神的な緊張を生むということ。

長時間の正座は足がしびれたり、痛みを感じたりする可能性があるため、5分程度にとどめておきましょう。

※:福市彩乃, 山本佑実, and 菅村玄二. "正座は眠気を緩和する―あぐら及び椅坐位との比較を通して―." 日本心理学会大会発表論文集 日本心理学会第 82 回大会. 公益社団法人 日本心理学会, 2018.

⑦短時間の仮眠をとる

仕事や授業に支障をきたすほどの強い眠気を感じている時は、短時間の仮眠をとるのがベストな方法です。机に突っ伏して寝るだけでも、かなりの効果が得られます。

昼寝の適度な時間は15分~30分程度です。昼寝の前にカフェインが入った飲み物を摂取することで、昼寝後の眠気が低くなるという調査結果が報告されています(※)。ただし、午後3時以降の昼寝や30分以上の昼寝は、夜の睡眠に悪影響を与える可能性があるため、避けましょう。

※:若島恵介, and 辛島光彦. "うつ伏せ姿勢による昼休みの短時間仮眠の効果について." 東海大学紀要 4.1 (2011): 40-6.

仕事中や授業中の眠気を覚まして集中力アップ!

仕事中や授業中の眠気を覚まして集中力アップ!

ある研究で、眠気を感じるピークは14時~16時、午前2時~6時に訪れることが判明しています(※)。しかし、夜更かしした翌日や慢性的な睡眠不足を抱えている人は、午前中から強い眠気を感じることがあるかもしれません。

仕事中や授業中などに眠気を感じて会議や勉強などに集中できない時は、今回お伝えした7つの眠気覚ましの方法で目を覚ましてください。

それでは最後に、今回ご紹介した眠気覚ましの方法をまとめておきます。

  • 眠気を覚ます7つの方法

    1. カフェインが多く含まれた飲み物を飲む
    2. 冷たい水で手首を冷やす
    3. ガムを噛む
    4. ストレッチをする
    5. 眠気覚ましのツボを刺激する
    6. 正座する
    7. 短時間の仮眠をとる

強い眠気で困った時には、これらの方法を試してみてくださいね。

※:Akerstedt&Gillberg,1981,1982;Carskadon&Dement,1979;石原ら,1982;Richardson et al.,1982

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