最終更新日:2023.12.08
「寝付きが悪い」「ぐっすり寝た気がしない」といった睡眠にまつわる悩みを改善する方法として、規則正しい生活や食生活の見直し、適度な運動やストレスの解消などが挙げられます。
しかし生活習慣をすぐに改めて継続するのは難しいこともあり、眠りをサポートする手段としてセロトニンを増やして睡眠の質を上げるサプリメントが注目されています。
今回は、睡眠アドバイザーおよび健康管理士としての知識を織り交ぜながら、睡眠薬とサプリメントの違いや、セロトニンを増やし睡眠の質を上げるサプリにおすすめの成分などについて解説いたします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
目次
睡眠薬や睡眠改善薬、睡眠サプリメントはともに睡眠の質を改善することを目的としていますが、その効果や選び方には違いがあります。
睡眠薬は医師による診断と処方箋が必要な薬物で、期間や用量には厳格な制限があります。
主に重度の不眠症や睡眠障害の治療に使用され、効果は強く即効性が期待できますが依存性や耐性、副作用といったリスクもあります。
睡眠改善薬は市販されている薬で、処方箋がなくても薬局やドラッグストアで購入することができます。
眠気を誘うことで一時的な効果が期待できますが、慢性的な不眠の改善には適していません。
依存性や耐性および副作用のリスクもあり、使用期間は数日間に留めることが推奨されています。
睡眠サプリメントはハーブなどの自然由来の成分を含む健康食品で、薬ではないため処方箋なしで購入することが可能です。
効果は比較的穏やかで、継続的な摂取によって睡眠の質を改善することが期待できます。
自然由来の栄養素が主成分であるため、副作用の心配はほとんどありません。
睡眠薬 | 睡眠改善薬 | 睡眠サプリメント | |
---|---|---|---|
医師の診断と処方箋 | 必要 | 不要 | 不要 |
使用目的 | 重度の不眠症や睡眠障害の治療 | 一時的な不眠の対処 | 睡眠の質の向上 |
副作用と依存性のリスク | あり | あり | ほとんどなし |
一般的な睡眠サプリメントの主成分は自然由来の栄養素です。
睡眠薬や睡眠改善薬といった人工的な薬物と比べ体に優しく、食品であるため過剰摂取などがない限り通常副作用はありません。依存性もなく安心して使用することができます。
寝つきを良くしたい、睡眠の質を上げたいといった場合は、安心で手軽に始められる睡眠サプリメントがおすすめです。
一方、日常生活に支障をきたすような重度の不眠症状が長い期間続く場合は、専門医の診断を受けるようにしましょう。
セロトニンは、どのように睡眠と関係しているのでしょうか。
セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれる脳内ホルモンで、自律神経を整え心のバランスを保つ作用があります。
そして、セロトニンは睡眠ホルモン」と呼ばれる「メラトニン」の原料となります。「メラトニンには睡眠と覚醒のリズムを調整して眠りを誘い、深いノンレム睡眠を増やす作用があります。
質の良い睡眠をとるにはメラトニンの分泌が不可欠です。
セロトニンが不足するとメラトニンが十分に分泌されなくなるため、寝付きが悪い、眠りが浅くなり中途覚醒するといった睡眠の質への影響があらわれるようになります。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
セロトニンは、光を浴びる事で分泌が活性化されます。
朝起きた後に15分~20分程度日光を浴びる事でセロトニンが活発に分泌され始め、約15時間後にメラトニンが生成されるようになることで夜に眠りにつきやすくなります。
食事もセロトニンの分泌に影響しています。赤身魚や乳製品、豆製品などに含まれるトリプトファンと、脂身の少ない肉類などに含まれるビタミンB6を摂取することがセロトニンの生成につながります。
また、一定のリズムで動くこともセロトニンの分泌を促します。ウォーキングなどの適度な運動を行うのが効果的です。
セロトニンは10代をピークに、年齢を重ねるとともに減少していきます。
分泌を増やし睡眠の質を向上させるには生活習慣の見直しが大切ですが、改善して継続するのはなかなか難しいものです。
セロトニンの分泌を増やす成分が含まれた睡眠サプリを活用することで、睡眠の質の向上をサポートすることができます。
セロトニンを増やし睡眠の質を上げる睡眠サプリで、ぐっすり熟睡体験 >>詳しく見る
睡眠サプリメントを選ぶうえでおすすめの、セロトニンを増やす成分をご紹介します。
ラフマは中央アジアに自性する天然ハーブの一種で、中国薬典に「心を安定させる。不眠に使用する。」と記載され、古くから生薬として重宝されてきました。
葉っぱにはフラボノイドやアミノ酸を豊富に含んでおり、健康茶としても飲用され長らく親しまれています。
ラフマ葉から抽出したエキスであるラフマ由来ヒペロシド、イソクエルシトリンは、セロトニンの体内での代謝による減少を抑えつつ増加させることで、睡眠の質、眠りの深さを向上させることが認められています(※)。
その効果から近年注目が集まっている、睡眠サプリメントにおすすめの成分です。
※:寺尾純二, メンタルヘルスを支える栄養科学 - 食品成分の抗うつ様活性評価 -, 四国医誌, 66, 123-126 (2010)
睡眠の質を上げる、その他のおすすめの成分をご紹介します。
トマトやナス、発芽玄米、納豆などに含まれるGABAは「γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)」の略で、ストレスを軽減する働きで知られ、近年は仕事中や勉強中などのストレス軽減を目的としたチョコレートも人気になっています。
GABAは自律神経系に作用し副交感神経を活発にすることで、リラクゼーション効果が期待できるという研究結果があります(※1)。
副交感神経が優位になることは、深い睡眠をとるために重要です。
GABAと睡眠に関する研究では、眠りにつくまでの時間を短縮し深いノンレム睡眠の時間を増やす効果が認められ、さらに起床時の気分の良さを改善することが報告されています(※2)。
チョコレートにはカフェインが含まれるため、眠りを妨げないよう夜は摂取を避けたほうが良いと言えます。
夕食でGABAを含むトマトなどを摂取し、サプリメントでサポートするのがおすすめです。
※1:藤林真美, 神谷智康, 高垣欣也, 森谷敏夫 GABA経口摂取による自律神経活動の活性化 日本栄養・食糧学会誌 61 (3), 129-133, 2008
セロトニンを増やす「ラフマ」とストレスを軽減させる「GABA」で、眠りの質を高める睡眠サプリ >>詳しく見る
今回は、セロトニンを増やして睡眠の質を上げるサプリについてお伝えしました。
無理なく生活習慣の改善を行いながら、睡眠サプリも上手に活用して朝までぐっすり眠れる毎日を目指しましょう。