最終更新日:2025.05.20
「どうして夢を見るの?」「夢って何のためにあるの?」
そんな素朴な疑問を感じたことはありませんか?
夢を見るのは、脳や心の働きと深く関係しており、実は私たちの健康やストレスケアにも密接にかかわっています。
本記事では、「なぜ夢を見るのか」「夢を見る理由」について、簡単・分かりやすく解説します。
また、夢と睡眠の質の関係にも注目し、「最近、眠りが浅くて疲れがとれない」といった悩みを持つ方に向けて、快眠につながるヒントもお伝えします。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
目次
夢を見るのは、睡眠中に脳が活発に働いている「レム睡眠」という状態で多く発生します。
レム睡眠は、眠りが浅く、身体は休んでいるのに脳は覚醒に近い状態。
このとき、記憶の整理や感情の処理などが行われると考えられています。
夢を見るメカニズムを簡単にまとめると、以下のようになります。
【夢を見るメカニズム】
・脳が情報を整理しているときに、視覚や感情の断片が再構成される
・感情的な体験や記憶が夢として再生される
・潜在意識の内容が夢に現れることもある
このように、夢はただの「意味不明な映像」ではなく、脳の大切な活動の一部なのです。
夢には意味がある?ただの記憶の断片?──実は夢には、脳や心のバランスを保つための重要な役割があることが、脳科学の研究からわかってきました。
ここでは、夢が私たちの「脳」と「心」に与えている知られざる効果について、わかりやすく解説します。
夢を見るとき、脳はその日インプットした情報を「必要なもの」と「不要なもの」に分別し、重要な記憶を長期記憶として定着させようとしています。
これはまるで、日中に撮影した膨大な写真をアルバムに整理するような作業です。
特にレム睡眠中の夢は、感情の強い記憶や学習内容と関連しており、受験勉強や仕事のトレーニングの効率にも関係しています。
夢を見ることが「脳の記憶整理プログラム」の一部であるということは、科学的にも広く認められています。
夢には、日中に感じたストレスや不安、怒りといった感情を“再体験”することで、脳内で解消・再構築しようとする働きがあります。
これは「情動の処理機能」と呼ばれ、嫌な夢や不安な夢も、実は心のバランスを取るために必要なプロセスかもしれません。
たとえば、過去にあった嫌な出来事を夢の中で再体験することで、現実との“心理的な折り合い”をつけようとしているのです。
実際、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の治療でも夢の内容が注目されることがあります。
夢には、論理的に考えているときとは異なる「自由な発想」が働きます。
突飛で非現実的に思える夢の中で、意外にも日常の悩みや仕事のヒントが見つかることも。
芸術家や発明家の中には、「夢の中でアイデアがひらめいた」と語る人も多くいます。
脳は眠っている間も情報をつなぎ合わせ、創造的な問題解決を試みているのです。
夢は、単なる映像ではなく、私たちの“思考の裏側”が働いている証ともいえるでしょう。
夢を見る頻度や内容には、睡眠の質が深く関係しています。
「最近、変な夢ばかり見る」「悪夢で目が覚める」「夢のせいで疲れが取れない」。
そう感じている人は、眠りの質に問題がある可能性があります。
【睡眠の質と夢の関係】
・睡眠の質が高いと、夢も自然な流れで現れやすい
・睡眠の質が悪いと、悪夢や断片的な夢が多くなる傾向
つまり、「最近、悪夢が多い」「変な夢ばかり見る」と感じる場合、睡眠の質が低下しているサインかもしれません。
また、カフェインやアルコール、寝る前のスマホ使用もレム睡眠に悪影響を及ぼし、夢見に影響することがあります。
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「夢ばかり見て、朝起きると疲れている」。
これは、レム睡眠ばかりが多くなってしまい、深いノンレム睡眠が足りていない可能性があります。
私たちの睡眠は、「ノンレム睡眠(深い眠り)」と「レム睡眠(浅い眠り)」が交互に繰り返されます。
このうち夢を見るのは主にレム睡眠中です。
健康的な睡眠では、ノンレム睡眠で身体を休め、レム睡眠で脳の情報整理が行われます。
このサイクルが安定していると、夢も自然に発生し、心身の回復が促されます。
一方、睡眠の質が悪くなると、以下のような問題が起こります。
・ノンレム睡眠の時間が短くなり、深く眠れない
・レム睡眠ばかりが増えて、夢の内容が鮮明・断片的になりやすい
・中途覚醒や早朝覚醒で、夢の記憶が残りやすくなる
つまり、「夢ばかり見る=レム睡眠の比率が高く、深い眠りが足りていない」状態の可能性があるのです。
悪夢や不快な夢が頻繁に続く場合、ストレスの蓄積や不規則な生活リズム、寝る前のスマホ・カフェインなどが影響していることがあります。
これらは睡眠の質を低下させ、夢の質にも悪影響を与える要因です。
たとえば、就寝直前までSNSを見ていたり、夜中に何度も目が覚めたりするような状況は、夢の質を不安定にします。
結果として、断片的で意味不明な夢や、不安感を強める夢が増える傾向があります。
夢の内容は毎日変わり、思い通りにコントロールするのは難しいと感じるかもしれません。
しかし、日々の生活習慣や寝る前の過ごし方、睡眠サイクルの整え方によって、良い夢を見る確率を高めることは可能です。
今日から実践できるシンプルなポイントを押さえて、心地よい夢とともに毎朝すっきり目覚めましょう。
1. 寝る直前にポジティブな映像や言葉に触れる
SNSやニュースのネガティブな情報を避け、好きな映画や本など、心が温かくなるコンテンツに触れましょう。
2. リラックスできる照明と音で就寝環境を整える
柔らかい照明、ヒーリング音楽、アロマなどで副交感神経を優位にし、眠りを深くすることで夢の質も高まります。
3. 寝る前に“今日よかったこと”を3つ思い出す
脳がポジティブな記憶で満たされることで、夢の内容にも影響が出ることがあります。
4. 寝る90分前までに入浴を済ませる
深部体温を適度に下げることで、眠りにスムーズに入れ、レム睡眠の質も向上します。
5. カフェイン・アルコールの摂取を控える
カフェインやアルコールは眠りを浅くする原因になるため、良い夢を見るには避けたほうが無難です。
6. 朝の光を浴びることで体内時計をリセット
規則的な睡眠リズムがレム睡眠の安定につながり、夢の質にも関係します。
7. 質の高い睡眠をサポートするサプリメントを活用する
眠りの質を整える成分(GABAやラフマ葉エキスなど)を含むサプリメントを取り入れることで、夢の質にもポジティブな影響が期待できます。
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夢は私たちの心と脳の状態を映し出す「内なるメッセージ」です。
夢を見ること自体に問題はありませんが、「悪夢が多い」「起きたときに疲れている」といった状態が続く場合は、睡眠の質を見直すタイミングかもしれません。
夢の質を左右するのは、日中の過ごし方や寝る前の習慣、そして睡眠中の環境です。
生活リズムや心身の状態を整え、夢を味方にできる睡眠を手に入れましょう。