最終更新日:2024.05.20
なかなか眠れずにこのページに辿り着いた方へ。寝ようと思ってベッドや布団に入って目を閉じても、その日あったイヤなことや漠然とした不安感など、ネガティブな考えや気持ちで頭がいっぱいになって眠れなくなることはありませんか?
今回は睡眠栄養指導士としての知識と経験を交えて、色々考えすぎて眠れなくなった時の対処法と、寝る前にいろいろ考えないための習慣をご紹介します。ぜひ最後までお付き合いください。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
「明日も仕事だから早く寝なければ」「しっかり睡眠時間を確保しなくては」など、寝ようと焦れば焦るほど、その思いとは裏腹に目が冴えて眠れなくなった経験がある人も多いのではないでしょうか。
このように、思考や不安などを意図的に統制しようとすると意図とは逆に悪化してしまう状態のことを「Ironic Process Theory(皮肉的過程理論)」と呼びます。眠ろうと思うほど寝られなくなるのは、そのせいなのです。
いろいろ考えすぎると眠れなくなる原因として、交感神経が活性化したままでうまく副交感神経に切り替わらないことが挙げられます。
ベッドや布団に入ってから仕事であったイヤなことを思い出したり、ミスをした悔しさや恥ずかしさが胸によみがえったり、嫌いな上司や同僚の余計な一言を思い出してイライラしたり…。そういった思考は脳を覚醒させ、興奮状態にします。
その結果、本来であれば夕方以降に優位となってリラックス効果をもたらすはずの副交感神経が働かず、不眠を招くのです。
いろいろ考えすぎて寝られない時は、無理に眠ろうとしないことが大切です。何とかして寝ようとすると、逆に目が冴えてしまいます。考えすぎて寝られない時は、一度ベッドや布団からでて、これから紹介する方法を試してみませんか。
腹式呼吸を行うことで、副交感神経が優位に切り替わりやすくなります。お腹を膨らませることを意識して鼻からゆっくり息を吸いこみ、お腹をへこませるように口から時間をかけて息を吐き出しましょう。
ぐっすり眠れる効果があるツボを刺激するのも、有効な手段です。快眠効果が期待できる代表的なツボは、頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」。百会を刺激すると自律神経が整い、全身の不調が改善されるため “万能のツボ”とも呼ばれています。
百会の場所
ツボの押し方
ヨガには、不安感やうつ病を引き起こす大きな要因となる物質のカテコールアミンとコルチゾールを抑制する効果があります(※)。眠れない夜は、ヨガのポーズの中でも特に自律神経を整える効果があるものを行ってみましょう。
おすすめのポーズは、頭の中をクリアにする「シャバ―サナ」。日本語では「亡骸のポーズ」「屍のポーズ」「死体のポーズ」と呼ばれ、シンプルで簡単ながらもリラックス効果は抜群です。5分~10分程度行うと頭の中がスッキリしますよ。
シャバ―サナのやり方
その日あったイヤなことや苦手な人へ言いたいこと、人には言えない本音、イライラしたこと、不安に感じていることなどをノートへ思う存分書き綴りましょう。ある程度書いたら「これでスッキリ!」と声に出して、ノートを引き出しなどにしまいます。
思考を文字として書き起こすことでストレスが解消されてスッキリしたり、違う角度からの解決策が見つかったりすることがあります。ノートに書いた内容を後日読み返すと、思いがけない気付きがあるかもしれません。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
ストレスやイライラ、不安感など、いろいろ考えて眠れなくなる原因は人によって様々です。眠れない時の対策法を知っておくことはもちろんですが、普段から寝つきが良くなる生活習慣を実践するのも、ストレスに強い精神状態を保つのにおすすめです。
精神的な問題で眠れない場合に試してほしいのが、筋肉トレーニング!たとえ短時間の簡単な筋トレであっても、ストレスや不安による不眠には効果的です。
筋トレが不眠対策に効果をもたらす理由として、骨格筋にはうつ病を引き起こす原因物質の1つである「キヌレニン」を分解する酵素が存在していることが挙げられます。筋トレをはじめとした身体活動を行うことで、キヌレニンの代謝が促進されるのです(※1)。
また、ストレスやうつ状態を軽減させる作用があり、睡眠ホルモン「メラトニン」の材料となるホルモン「セロトニン」は、リズム性がある運動によって分泌量が増加することが分かっています。
毎日10分から30分程度、早足でのウォーキングやリズムを意識した呼吸など規則性がある運動を行うと、セロトニンの分泌量増加が期待できるでしょう。
ただし、やりすぎには注意を。メンタルヘルスの状態を良くする運動量の目安として、週に21時間~31時間程度(毎日3~4.5時間)が最も良いという結果が、1237人の成人を対象にした横断調査によって報告されています。この時間を上回ると、メンタルヘルスの評価指数は低下しました(※2)。
いろいろ考えて眠れない日が多い人は、適度な時間のウォーキングやストレッチなどの軽い運動を毎日の習慣にしてみませんか。
※1:小笠原理紀“筋肉から身体を元気にする”, 生物工学会誌,第99巻第12号,638.2021
いろいろ考えて眠れない日が続くと、睡眠不足で日中に強い眠気を感じたり、些細なことでイライラしたりすることが増えます。
中には、お酒の力を借りて寝ようとする人がいるかもしれません。しかし、アルコールでリラックスできるのは最初だけです。
お酒を飲み始めるとセロトニンの分泌量が一時的に増加するため、落ち着いた気分になります。しかし、飲み続けると逆にセロトニンが減少し、不眠に。
眠るために飲酒量を増やすと、ますますセロトニンの分泌量が低下して不眠を悪化させるという悪循環に陥ってしまいます(※)。
考えすぎて眠れない人は、ご紹介した対処法とともに睡眠の質を上げることを意識しましょう。睡眠の質が向上することで心身が健康な状態に整い、ネガティブな思考から離れられる可能性が高まります
睡眠の質を上げる方法としては、生活リズムを一定にして体内時計を整える、食生活を見直すなどがあります。しかし一番手っ取り早い方法としては、深い眠りをもたらす成分を配合した睡眠サプリを摂取することです。いろいろ考えすぎて眠れない日が多い人は、一度試してみることをおすすめします。
もしも週に3回以上の不眠が3ヶ月以上続く場合には、医療機関への受診も視野に入れましょう。
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