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食後のひどい眠気は病気の可能性あり?午後の眠気対策法も!

最終更新日:2023.06.21

食後のひどい眠気は病気の可能性あり?午後の眠気対策法も!

会社や学校での昼食後、ひどい眠気を感じて仕事や授業に集中できない…。そんな経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか?

実は昼食後の強い眠気には、食事で糖質を摂取することが関係しています。ランチ後に、仕事や勉強に支障をきたすほど眠くなる人は、将来的に糖尿病をはじめとした生活習慣病や認知症などを発症するリスクが高いかもしれません。

今回は睡眠アドバイザーとしての立場から、食後に眠くなる原因と眠気の対策法について具体的にご紹介したいと思います。ランチタイム後、眠気がひどいために午後の仕事や授業に集中できなくて困っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。

パーソナル睡眠アドバイザー 健康管理士一般指導員 小田健史

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

睡眠栄養指導士

小田 健史

健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!

<資格>
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
 睡眠栄養指導士® 中級
 パーソナル睡眠アドバイザー®
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
 健康管理士 一般指導員

食後のひどい眠気を引き起こすのは「血糖値スパイク」?

食後のひどい眠気を引き起こすのは「血糖値スパイク」?

食後は、食べ物を消化吸収するために、血液が胃や腸といった消化器官に集中します。そのため、脳に血液が行き渡りにくくなって眠気を催しやすくなります。

しかし、昼食後に眠くなる理由はそれだけではありません。食後に強い眠気を感じる原因は、血糖値が急上昇・急下降する「血糖値スパイク」にあります。

血糖値スパイクは、食事に含まれる糖質によって血糖値が急上昇し、上がった血糖値を正常値へ戻すために膵臓からインスリンが大量に分泌されて、血糖値を急降下させることで起こります。

この時、インスリンが過剰に分泌されて血糖値が下がりすぎると、今度は低血糖となり、脳に供給されるはずのブドウ糖が足りずに眠気を感じるのです。

また、食後に血液中の血糖値が上がった「食後高血糖」状態では、覚醒を促すホルモンである「オレキシン」の分泌がストップ。オレキシンが分泌されないと脳は睡眠モードに切り替わり、強い眠気を感じさせます。昼食後に眠くなるのは、こういった理由からなのです。

昼ごはんの後に強い眠気を感じる人は糖尿病の可能性あり?

昼ごはんの後に強い眠気を感じる人は糖尿病の可能性あり?

糖尿病は、膵臓から分泌されるインスリンが作用せず、血液中のブドウ糖が増加する病気です。血糖が高いと血管が傷つきやすくなり、放置しておくと心臓病や腎不全、失明、足の切断など深刻な事態をもたらします。

食後に強い眠気を感じる人は、インスリンの働きが低下していて、血糖値が高い状態が長く続いているせいかもしれません。インスリンの働きが悪いということは、糖尿病の可能性もゼロではないということです。

また、定期的に健康診断を受けて異常がない人でも、実は食後血糖値が高い「隠れ糖尿病」「糖尿病予備軍」の場合があります。健診では食後10時間以上経過した状態で採血するため、「空腹時血糖値」しか分かりません。つまり、採血をする頃には血糖値が正常値に戻ってしまうので糖尿病の兆候が見落とされてしまうのです。

糖尿病は自覚症状がほとんどないため、気付いた時にはかなり進行していた、という事態もないとは言い切れません。午後の仕事や授業に支障をきたすほど食後の眠気がひどい場合は、一度医師に相談してみましょう。

昼食後の眠気を予防する食べ方

昼食後の眠気を予防する食べ方

昼食の食べ方を少し工夫するだけで、午後の強い眠気に対する予防効果が期待できます。

①野菜から先に食べる「ベジファースト」を意識する

食物繊維には、糖の吸収を緩やかにする作用があります。そのため、最初に食物繊維豊富な野菜を食べることが血糖値の急上昇を防ぎます。

野菜の後に、肉や魚といったタンパク質のメインディッシュ、最後にパンやご飯などの炭水化物という順番で食べると、血糖値スパイクの発生を抑えられるでしょう。

②炭水化物には質が良い脂質を組み合わる

パンやパスタなどの炭水化物を食べる際には、エキストラバージンオリーブオイルなど質が良い脂質を組み合わせることで、急に血糖値が上がることを防げます。

③ゆっくりよく噛んで食べる

早く食べると、血糖値が上昇しやすくなります。また、ゆっくり食べることで満腹感を感じやすくなり、食べ過ぎ予防につながるでしょう。

④食事は1日3食きちんと食べる

朝食を抜くと、昼食後に血糖値スパイクが発生しやすいことが分かっています。ほかにも、24時間の平均血糖値の上昇や満腹感の低下といった様々な悪影響が報告されています(※)。

※:寺沢なお子, and 木下恭宏. "若年女性の体格が食後血糖値変動に及ぼす影響." 金沢大学人間科学系研究紀要 10 (2018): 25-44.

⑤食後はすぐに体を動かす

食後すぐに運動すると、血液中のブドウ糖が筋肉で消費されて血糖値を低下させます。食後1時間~2時間の間で、ウォーキングやラジオ体操などの軽い運動を15分程度行いましょう。筋肉がない人は、筋トレも合わせて行うと効果的です。

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ランチ後に眠くなる人必見!眠気を防ぐ食べ物

ランチ後に眠くなる人必見!眠気を防ぐ食べ物

昼ご飯を食べた後の眠気を予防するためには、血糖値スパイクを防ぐことが重要です。血糖値の急上昇を抑える効果がある食べ物をランチメニューに加えて、午後の居眠りを予防しましょう!

①ねばねば食材を積極的に摂る

納豆やオクラ、山芋など粘り気がある食材は、糖の吸収を遅らせて血糖値の急上昇を抑制します。

②炭水化物はライ麦パンや玄米など「黒いもの」を

糖質が多い炭水化物の中でも、精製されていないものは食物繊維が豊富です。食物繊維は糖の吸収を穏やかにするため、血糖値が急激に上がることを抑制してくれます。

③デザートには柑橘類がおすすめ

柑橘類に含まれる酢酸は、「α-アミラーゼ」という消化酵素の働きを弱らせます。

α-アミラーゼが働かなくなると消化が遅くなるため、血糖値の上昇が緩やかになります。ただし、果物には「果糖」と呼ばれる糖分が含まれています。果糖は血糖値の高さに影響を与えませんが、中性脂肪に変化しやすい特徴があるため、食べすぎには注意しましょう。

血糖値の急上昇を防いで食後の眠気を防止しよう

血糖値の急上昇を防いで食後の眠気を防止しよう

食後の眠気は誰にでもあるものです。しかし、夜しっかり眠っているはずなのに昼食後の眠気がひどい場合は、血糖値スパイクが起きている可能性が高いかもしれません。血糖値スパイクを放置しておくと、2型糖尿病を引き起こす恐れもあるため、早めの対策が必要です。

あまりにランチ後の眠気が強い場合は、一度病院で検査を受けることをおすすめします。

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