最終更新日:2025.08.19
「夜中に何度も目が覚めてしまう」「一度起きるとそこから眠れない」。
そんな“中途覚醒”の悩みを抱えていませんか?
“睡眠時間は足りているはずなのに、朝起きても疲れが取れない”“眠っているのに熟睡できた感じがしない”。
これらには、途中で目が覚めることによる睡眠の質の低下が関係している可能性があります。
本記事では、夜中に目が覚める原因について解説し、「3時間で目が覚める」「毎日夜中に目が覚める 」といった悩みを抱える方に向けて、すぐに実践できる生活改善法や注目の栄養アプローチを紹介します。
改善策が見えずに不安な方も、この記事を読み終えるころには希望と手応えを感じられるはずです。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
目次
「夜中の3時に必ず目が覚めてしまう」「1〜2時間おきに目が覚めて眠れない」「寝ても眠れていない感じがする」。
そんな声がSNSや質問サイトで多く寄せられています。
一週間ほど前から中途覚醒が続いてます。
寝てから3時間弱で起きてしまい、少し時間を開けてもう一度寝る感じです。
※Yahoo!知恵袋より一部引用
最近中途覚醒をしてしまうのですが原因ってなんですか?
眠りについてから2、3時間後に1回起き、そこから2時間毎に目が覚めたりします。
※Yahoo!知恵袋より一部引用
夜中目が覚める。
最近毎日のように夜中の2時~3時の間に目が覚めます。
※Yahoo!知恵袋より一部引用
自分だけが悩んでいるわけではないと知ることで、まずは安心することが大切です。
夜中に何度も目が覚めてしまう原因は、1つだけとは限りません。
ストレスや生活習慣の乱れから、加齢による体の変化、さらには環境や飲食物の影響まで、さまざまな要因が絡み合って眠りを妨げています。
ここでは、特に多く見られる代表的な5つの原因をわかりやすく解説します。
自分の状況に当てはまるものがないか、ぜひチェックしてみてください。
ストレスや生活習慣の乱れにより、交感神経(興奮)と副交感神経(リラックス)の切り替えがうまくいかなくなると、眠っていても浅い睡眠が続き、途中で目が覚めやすくなります。
特に夜中に交感神経が優位になると再入眠が難しくなります。
年齢を重ねると浅くなる眠り。その変化の要因の1つが、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌量の減少であり、結果的に中途覚醒しやすくなります。
人は深部体温が下がるタイミングで眠りやすくなりますが、暑すぎ・冷えすぎなど、寝室の温湿度管理不足によって体温リズムが崩れると、途中で目が覚める要因になります。
就寝前にカフェインを摂ると覚醒作用が残り、アルコールは一時的な眠気を誘発しても代謝の過程で睡眠を浅くします。
また、スマホやPCのブルーライトは体内時計を狂わせるうえに感情を刺激するため、夜間の覚醒リスクを高めます。
睡眠時無呼吸症候群、レストレスレッグス症候群(むずむず脚症候群)、うつ病、更年期障害などが背景にある場合、セルフケアだけでは改善が難しいケースもあります。
夜中に何度も目が覚める状態を改善するには、毎日の生活習慣を見直すことが重要です。
体内時計を整え、深い眠りを促すための具体的な方法を取り入れることで、徐々に夜中に起きにくい体質へと変わっていきます。
ここでは、今日からすぐに始められる効果的な生活習慣をご紹介します。
まずは、無理なく実践できることから取り入れてみましょう。
体内時計を安定させるためには、毎日同じ時間に起き、眠るリズムを保つことが重要です。
週末の寝だめも極力避けましょう。
朝起きたらすぐに太陽光を浴びることで体内時計がリセットされ、約16時間後に自然に眠りに入る準備が整います。
夜は照明を落とし、睡眠モードに導く工夫が効果的です。
38〜40℃のぬるめの湯に15〜20分程度入浴すると、入浴後に深部体温が自然に下がり、スムーズな入眠と深い眠りを促します。
ストレッチ、アロマ、読書など“毎晩同じことをする”ことで、脳が「これから寝る時間だ」と認識しやすくなります。
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夜中に目が覚めてしまうと、「もう眠れないかも」と不安になったり、「明日のためにしっかり眠らなきゃいけないのに」と焦ってしまったりすることがあります。
しかし、無理に寝ようとするとかえって覚醒が強まり、再入眠が難しくなる場合もあるため、適切な対処法を知っておくことが大切です。
以下の対処法を実践することで、夜中に目が覚めたときも落ち着いて対応でき、再び深い睡眠へ入りやすくなります。
ぜひ日常の中で試してみてください。
長時間スマホやパソコンを使うのは避け、薄暗い照明のある静かな場所で軽いストレッチや深呼吸をしましょう。
身体をリラックスさせ、脳の興奮を抑えることがポイントです。
ブルーライトは体内時計を狂わせるので、目が冴えやすくなります。
夜中に目が覚めると、ついスマホで時間を確認しがちですが、できるだけスマホを見ないようにしましょう。
時間を確認したい時は、スマホではなく自然光に近い柔らかい光を使って時計を見るのが望ましいです。
「眠れなければどうしよう」という不安は大脳辺縁系を刺激し、ますます眠りを妨げます。
目が覚めたことを過度に気にせず、自然な眠気が戻るのを待つ心構えも重要です。
睡眠の質を高め、夜中に目が覚めにくくするためには、体の内側からのサポートも重要です。
特に神経やホルモンの働きを助ける栄養素は、睡眠リズムの安定をサポートしてくれる可能性があります。
セロトニンという神経伝達物質は、心の安定やリラックスにも寄与します。
日中に太陽光を浴びると体内時計が整います。夜になると、適切な時刻に覚醒出力が低下するとともに、メラトニンが合成されて自然な眠気と良質な睡眠を促します。
このセロトニンを作るための材料として欠かせないのが、トリプトファンという必須アミノ酸です。
GABA(ギャバ)は副交感神経を活発にして、リラックスした状態を作り出す効果があるとされています。
また、睡眠の入り口である「寝つき」の改善に有効とされ、起きた際の気分の良さを改善することも期待されます。
筑波大学教授 櫻井 武
トリプトファンやGABAといった栄養素は食事からも摂取できますが、その影響には限りがありますので、バランスの取れた食事は重要です。
ラフマ葉エキスなどの一部の植物成分は、自律神経の乱れを整え、夜間の過度な覚醒を抑える効果が注目されています。
自律神経の安定は、夜中に目が覚めにくい体質作りに役立ちます。
これらの栄養素は、食事から取り入れることもできますが、生活リズムの乱れやストレスが続くと不足しがちです。
日々の生活習慣改善と合わせて、眠りの質を整える手助けとして取り入れてみる価値があります。
筑波大学教授 櫻井 武
まずはバランスのいい食事や規則正しい生活習慣を心がけましょう。サプリメント活用は補助的手段としての選択肢の1つです。
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中途覚醒は誰にでも起こりうる睡眠のトラブルですが、その背景にはストレス・ホルモン・生活環境など複数の要因が絡み合っています。
まずは自分の生活習慣や体調に目を向け、整えることから始めましょう。
そして、必要に応じて栄養素によるサポートや専門家のアドバイスを活用するのも1つの手段です。
「途中で起きず、朝までぐっすり眠れる」。
そんな毎日を目指して、できることから一歩ずつ始めてみませんか。
筑波大学大学院医学研究科博士課程卒業(1993年)。
卒業後、筑波大学基礎医学系に入局。助教授、准教授を経て、2008年から金沢大学医薬保健学総合研究科に教授として着任。2016年から現在の筑波大学医学医療系の教授を務める。
<主な受賞歴>
・第11回つくば奨励賞
・第14回安藤百福賞大賞
・第65回中日文化賞
・平成25年度 文部科学省 科学技術賞
・第2回塩野賞
・第32回つくば賞
<主な論文>
・Emi Hasegawa, Ai Miyasaka, Katsuyasu Sakurai, Yoan Cherasse, Yulong Li, Takeshi Sakurai. Rapid eye movement sleep is initiated by basolateral amygdala dopamine signaling in mice. Science. 2022 Mar 4;375(6584):994-1000.2022.
・Takahashi TM, Sunagawa GA, Soya S, Abe M, Sakurai K, Ishikawa K, Yanagisawa M, Hama H, Hasegawa E, Miyawaki A, Sakimura K, Takahashi M, Sakurai T. A discrete neuronal circuit induces a hibernation-like state in rodents. Nature. 2020 Jul;583(7814):109-114.2020.