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寝だめは効果がある?休日の寝だめはよくない? | 睡眠負債を解消するための寝だめで睡眠不足が悪化する?

最終更新日:2024.12.18

寝だめは効果がある?休日の寝だめはよくない? | 睡眠負債を解消するための寝だめで睡眠不足が悪化する?

「今週も忙しくて寝不足がひどい…」。

そんなあなた、週末の寝だめで日頃の寝不足を解消しようと考えていませんか?

しかし、この「寝だめ」、果たして本当に疲れを解消してくれるのでしょうか?

平日にたまった睡眠負債を解消してくれる効果はあるのでしょうか?

そこで今回は、寝だめの実態やその効果、さらに長期的に見た影響を徹底解説します。

この機会に、あなたの睡眠習慣を見直してみませんか?

パーソナル睡眠アドバイザー 健康管理士一般指導員 小田健史

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

睡眠栄養指導士

小田 健史

健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!

<資格>
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
 睡眠栄養指導士® 中級
 パーソナル睡眠アドバイザー®
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
 健康管理士 一般指導員

「寝だめ」って本当に効果があるの?寝だめのメリットとは?

遅寝早起きの生活パターンや不規則な生活リズムなど、平日は睡眠不足に陥りがちです。

寝不足が蓄積したものは「睡眠負債」と呼ばれ、短期的には日中の眠気やパフォーマンス低下、中期的には記憶・学習、代謝、免疫などの精神・身体機能障害、長期的には気分障害や生活習慣病のリスクを増大させることが分かっています(※)。

「寝だめ」って本当に効果があるの?寝だめのメリットとは?

「寝だめ」は、平日や忙しい日常生活で蓄積した睡眠負債を、週末や休日に長時間寝ることによって解消する行為のことです。

寝だめには一時的に体調をリセットする効果があります。

寝だめによって得られる主なメリットを紹介しましょう。

①疲労回復

仕事や学業、ストレスなどで疲れが溜まっている場合、休日に長時間寝ることで疲労感を軽減し、体をリフレッシュできます。

②免疫力の向上

しっかり眠ることは、免疫システムの活性化につながります。

免疫力が向上すると、風邪やインフルエンザなどの病気にかかるリスクが低減できます。

「寝だめ」って本当に効果があるの?寝だめのメリットとは?

③集中力の向上

眠っている間に、脳は記憶の整理や保存をします。

十分な休息をとることで脳内が整理され、翌週に向けて集中力や生産性が高まる可能性があるでしょう。

※三島和夫.“睡眠・覚醒リズム特性と求められている社会時刻との不調和による心身の異常とその病態生理” 秋田医学:46号1,11-19,(2019)

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

寝だめには確かにメリットがありますが、効果的に機能するのはあくまで短期的な回復です。

週末ごとに寝だめを繰り返すと、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性があります。

次は、寝だめを繰り返すことで考えられる悪影響について挙げていきます。

①体内時計の乱れ

長時間寝すぎると、体内時計(概日リズム/サーカディアンリズム)が乱れ、平日と休日での起床・就寝時間のずれが大きくなり、睡眠サイクルが不安定になります。

休日の寝だめで睡眠サイクルが後退することで翌週の目覚めが困難になり、逆に寝不足感が残ることがあります。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

②不規則な睡眠パターン

寝だめによって睡眠パターンが乱れると、睡眠の質が低下する原因となります。

眠りの質が低下すると、寝つきが悪くなって深く眠れなくなったり、日中に強い眠気に襲われたりすることが多くなります。

③メンタル面への悪影響

寝だめを習慣化すると、仕事や学校のストレスから逃げるための方法として依存的になる可能性が考えられます。

その結果、眠っても心理的な疲れを解消できなくなり、メンタル面に大きな悪影響を与えます。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

夜型人間は寝だめで悪影響を受けやすい?夜型の人が寝だめをしない方がいい理由

夜型の人は、朝型の人よりも寝だめによる悪影響が起こりやすいとされています。

次は、夜型の人が寝だめで悪影響を受ける理由について解説します。

①夜型の人の体内時計は遅れたリズムに適応している

夜型の人は、もともと体内時計(概日リズム/サーカディアンリズム)が遅れたリズムに適応しているため、寝だめをするとそのリズムがさらに狂いやすくなります。

夜型の人が寝だめをすると、通常の睡眠時間を大幅に超えて長時間寝ることになります。

この長時間睡眠が、体内時計をさらに混乱させる要因となるのです。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

例えば、金曜日の夜に遅く寝て土曜日の昼過ぎまで寝てしまうと、体内時計は平日と休日で大きくズレた状態になります。

これが習慣化すると、寝だめをするたびに体内時計が「昼夜逆転」するようになり、通常の生活リズムに戻せなくなるのです。

②睡眠ホルモン「メラトニン」の分泌リズムの乱れ

夜型の人は、メラトニン(睡眠ホルモン)の分泌リズムが遅くなる傾向があります。

メラトニンは、暗くなると分泌が増えて眠気を促進する働きがありますが、夜型の生活をしていると分泌タイミングが遅れて就寝時刻になっても眠れません。

寝だめをすると、このメラトニンの分泌パターンがさらに乱れ、体内時計が元に戻るのが難しくなります。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

質が高い睡眠に欠かせないメラトニンを増やすコツは?カギはセロトニンの分泌量にあった! >>詳しく見る

③夜のサイクルに合わせるための調整が難しい

寝だめをすると、睡眠時間が大幅にずれるため、夜型の人は昼夜のサイクルに合わせるための調整が難しくなります。

通常、朝型の人は体内時計が早い段階でリセットされ、昼間に目覚め、夜に眠くなるリズムに従いやすいのですが、夜型の人はこれが逆転しているため、寝だめによって体内時計のリセットがより困難になるのです。

寝だめ後に普段の生活に戻ろうとしても、朝型の人よりも体がその変化に適応するのに時間がかかります。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

社会的時差ぼけ(ソーシャルジェットラグ)が引き起こす健康リスクとは?その悪影響を解説

寝だめによる大きな時間帯のズレは、体が感じる昼夜のリズムに混乱をもたらし時差ぼけのような状態を引き起こします。

これが「社会的時差ぼけ(ソーシャルジェットラグ)」です。

社会的時差ボケに関するデータ

【対象】

20代~60代の日本人3,700名

【結果】

対象者のうち、社会的時差ぼけが1時間以上の人は全体の40%でした。

その内訳は20代60%、30代53%、40代43%、50代31%、60代15%で、年齢が若いほど高い割合を示しました(※)。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

※駒田陽子. "女性の睡眠とメンタルヘルス." 女性心身医学 24.3 (2020): 275-278.

社会的時差ぼけ(ソーシャルジェットラグ)は健康にさまざまな悪影響を及ぼします。具体的な問題として挙げられるのが、以下の4点です。

①精神的・肉体的な疲れ

昼間の眠気や集中力の低下、イライラ感が増加します。

夜間は寝つきが悪くなり、睡眠の質も低下することが多くなります。

②免疫力の低下

規則的な睡眠をとらないことで免疫システムが弱まり、風邪や感染症にかかりやすくなる可能性が上昇します。

③肥満傾向が強くなる

ニュージーランドで行われた調査では、平日と休日の睡眠時間帯のずれが大きい人ほどBMI値が増加し、肥満とメタボリックシンドロームの割合が高いことが明らかになりました(※)。

④メンタル面の不調

長期的に見ると、社会的時差ぼけがうつ病や不安障害のリスクを高めることがあります。

⑤仕事や学業への悪影響

集中力や生産性が低下し、仕事や勉強の効率が悪化することがしばしばあります。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

※駒田陽子. "女性の睡眠とメンタルヘルス." 女性心身医学 24.3 (2020): 275-278.

寝だめだけでは解決できない!睡眠の質を高める生活習慣

寝だめの効果は、必ずしも睡眠の質に比例するわけではありません。

たとえ長時間寝ていても、浅い眠りが続くと十分な休息を得られません。

身体的な疲労回復や健康保持に役立つホルモンの分泌を促すためには、深い眠りの段階に達することが大切です。

そこで次は、睡眠の質を高めるのに効果的な生活習慣を紹介します。

すぐに実践できる簡単な方法ばかりですので、ぜひ試してみてくださいね。

①毎日同じ時間に寝起きする

できるだけ毎日同じ時間に起床・就寝することで体内時計が安定して、深い睡眠を得やすくなります。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

②寝る前のリラックス時間を作る

寝る前の1〜2時間は部屋のライトを少し暗くしたり、暖色系のものに変えたりするだけでもリラックス効果が得られます。

また、スマホやPCの画面から出ているブルーライトは、睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌を抑制し、安眠を妨げます。

就寝前はスマホやパソコンの使用を控えることで、体が眠る準備を整えられるでしょう。

③適度な運動を習慣化する

日中に軽い運動をすると、夜に深く眠れる効果が期待できます。

朝のウォーキングやストレッチ、ヨガなどはメラトニンの原料であるセロトニンの分泌促進効果も期待できるため、おすすめです。

ただし、寝る直前の激しい運動は交感神経を刺激して、眠れなくなったり、眠りが浅くなったりする可能性があります。

就寝直前の運動は控えた方が良いでしょう。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

④カフェインやアルコールの摂取を控える

カフェインやアルコールは睡眠の質を低下させる要因の一つです。

夕食後から寝るまでの数時間は摂取を避けることが、良い眠りにつながります。

⑤快適な睡眠環境を整える

良質な眠りを得るための条件として、快適な睡眠環境が挙げられます。

睡眠に適しているのは、暗く、静かで適温の部屋です。

また、枕や布団など寝具も体に合うものを選びましょう。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

寝だめに頼るのはもう終わり!質の良い睡眠で毎日元気を取り戻そう

今回は、寝だめの効果や健康への悪影響、社会的時差ぼけ(ソーシャルジェット)との関係などについて解説しました。

寝だめは一時的に疲れを取る手段として有効に思えるかもしれませんが、長期的には体調を乱す原因となり得ます。

最も効果的な方法は、毎日の睡眠の質を高めることです。

寝だめが引き起こす危険な落とし穴!健康への悪影響を知っておこう

そのためには規則正しい生活を送り、睡眠環境を整えましょう。

そして、眠りの質を高める成分が配合された睡眠サポートサプリメントを活用することも、睡眠の質向上に役立つ一つの手段です。

この機会に、より健やかな毎日を目指して睡眠習慣を見直してみませんか。

寝だめで解消できない日中の眠気は睡眠の質の低下が原因かも?眠りの質を高めるコツを知りたいなら! >>詳しく見る

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