最終更新日:2024.2.7
「朝起きるのが辛い」「目覚ましが何度か鳴らないと起きられない」「目が覚めてもしばらくの間、寝床でボーッとしている」。朝、スッキリとした気分で起きられず、一日中だるさや眠気といった不調を感じている人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は、睡眠アドバイザーとしての知識を織り交ぜながら、朝早く起きる方法、スッキリと起きるための早起きのコツや朝型人間になることのメリット、二度寝の予防法などについて解説します。
朝寝坊しがちな人や、起きた時から疲れている人、睡眠の質を上げてスッキリ目覚めたい人は、ぜひ参考にしてくださいね。
この記事の執筆者
グリーンハウス株式会社
睡眠栄養指導士
小田 健史
健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!
<資格>
・一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
睡眠栄養指導士® 中級
パーソナル睡眠アドバイザー®
・特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
健康管理士 一般指導員
目次
起床時から体のつらさや重さ、だるさを感じて早起きが苦手な人は、睡眠時間の不足に加えて睡眠の質が低下したり、睡眠のサイクルが乱れたりしている可能性があります。
睡眠時間が足りていないと目覚ましが鳴っても起きられず、起きたとしてもなかなか動き出せないという状態に陥りやすくなります。
適切な睡眠時間は20代~50代の人は6.5時間~7.5時間、60代以上では6時間程度とされています。実際に必要な睡眠時間は個人によって差があるため、日中にひどい眠気を感じて仕事や勉強に支障をきたさない程度の睡眠時間がとれていれば問題ないでしょう。
近年の研究結果では、日常的に7時間前後の睡眠をとっている人ほど生活習慣病になるリスクが低いという研究結果が出ています(※)。朝スッキリ目覚めるためはもちろん、健康のためにも1日7時間前後は眠れるようにすることが大切です。
※:香川靖雄. "時間栄養学による生活習慣病の予防." 体力科学 63.3 (2014): 293-304.
眠りの質が低いと、本来睡眠中に行われる疲労感の回復が得られず朝起きるのもつらくなってしまいます。
ストレスがたまると、脳を覚醒・興奮させる交感神経が働いて寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりして睡眠の質が低下します。
また、眠る前にイヤな出来事や不安に感じることを思いだすのも、眠りの質を悪くする要因です。ベッドに入ったら、できるだけ何も考えないようにしましょう。
シャキッと目覚めるためには、寝つきを良くすることも大切です。そこで見直したいのが、入浴時間。
人はゆっくり湯船につかることで体温が上昇し、入浴後に上がった体温が下がっていく過程で眠気を感じます。しかし、シャワーだけでは体温が上昇しにくいため、寝つきが悪くなります。
寝つきの良さは、睡眠時間だけでなく睡眠の質にも良い影響を与えます。良く眠り朝気持ち良く目覚めるためには、就寝時間の2~3時間前に38℃前後のお湯に10分間以上浸かると効果的です。
不規則な生活を送っていると体内時計がずれることにより睡眠のサイクルが乱れ、朝起きるのがつらくなります。
起床や朝・昼・夜の食事時間、就寝など毎日できるだけ同じ時間帯に行うことで体内時計とともに自律神経が整い、スッキリ目覚めやすくなります。
スマホを見ながら寝落ちしていませんか?スマートフォンやパソコンの画面から発せられる光(ブルーライト)は、交感神経を刺激して脳を興奮状態にさせるため、寝つきを悪くしたり、眠りを浅くしたりします。
また、スマホの明るい画面を見ることで脳が「今は昼間だ」と認識して、睡眠ホルモンである「メラトニン」の分泌をストップ。睡眠の質が悪くなり、朝起きられなくなるのです。
ぐっすり眠れない人急増中?それはセロトニン不足が原因かも… >>詳しく見る
昔から「早起きは三文の徳」と言われてきたように、早起きにはメリットがたくさん。生活リズムを朝型にすることで、様々な変化が表れます。
ある実験で、夜型の人は朝のパフォーマンスが極端に低く、朝型の人はほとんど1日を通して力を発揮できることが分かっています(※)。日中の生産性が上がれば、仕事や勉強の効率も上がるでしょう。
※:柴田重信. "体内時計と食事・運動の関係性について." Sports Nutrition Academy 28.1 (2021): 16-23.
早起きをすると朝の時間に余裕ができるため、しっかりと朝食を食べられます。
朝食は1日のリズムを整え、体調を整える存在。朝食に血糖値が上がりにくい食べ物を摂れば、昼食時の急な血糖値の上昇も抑えられます。1日3食食べることは、肥満防止にもつながります。
眠っている間に、脳の記憶は整理・保存されます。そのため、起きた時には脳はスッキリとクリアな状態に。集中力や記憶力も高まっているので、朝に重要な勉強や仕事を行うと効果的です。
早起きが得意な朝型人間は、質が高い睡眠を得られています。睡眠の質は心身の健康状態と大きく関係しているため、朝に強い人は良好な健康状態を保てるでしょう。
夜型の人は慢性的な睡眠不足と翌日に疲労を持ち越す傾向が強いことが、学生524人を対象に行った調査によって明らかとなりました(※)。
夜型の人は眠りが浅く睡眠サイクルが乱れがちなため、眠っている間も身体や脳が十分に休息できていない可能性があります。
※:松井知子, et al. "学生の健康管理に関する研究: 生活習慣と朝-夜型生活リズムとの関連." 杏林医学会雑誌 20.4 (1989): 447-454.
朝早く起きるのが苦手な人におすすめの、スッキリ目覚めるためのコツをご紹介します。
スマホのアラーム音を目覚ましに使っている人も多いのでは?色々な音からアラーム音を選べて便利ですが、選んだ音によってはなかなか目が覚めなかったり、不快感を覚えたりする可能性があります。
小鳥のさえずりや川のせせらぎといった自然の音を朝一番に聞くと、心地良さが感じられます。
「穏やかな音では目が覚めない」という人は好きな曲を目覚ましに設定するのがおすすめ。お気に入りの音楽は覚醒効果を高め、ぼんやりとした頭をシャキッと目覚めさせてくれます。
目覚ましは段々音量が大きくなるように設定するのがおすすめです。
スヌーズ機能を使用すると、本来の起床時間からだんだんと後にずれていき、何時に起きるべきなのか脳が混乱する可能性が高くなります。「〇時に必ず起きる」とはっきり決めることが大切です。
冬場は寝室が寒いと布団から出たくなくなり、夏場は暑さによる寝苦しさで睡眠の質が低下して寝起きが悪くなります。起床時間に合わせて適温になるようエアコンのタイマーを設定しておけば、快適に起きられて頭もスッキリするでしょう。
カーテンを少し開けておくと、隙間から差し込む光で身体が自然に目覚めます。レールに取り付けてタイマー設定でカーテンを開けるロボットタイプのスマートカーテンや、同様にタイマー機能が付いた照明もおすすめです。
朝の光は睡眠を促すホルモンであるメラトニンの分泌を停止させ、幸福ホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌をスタートさせます。体内時計もリセットされ、セロトニンにより気持ちもアップ。
また、セロトニンをもとに約14時間~15時間後にメラトニンが分泌されるため、夜の寝付きの良さと睡眠の質向上につながります。
「早起きして英語の勉強をする」「朝の時間にヨガをする」「朝食に好きなものを食べる」など、早起きする目的を明確に決めておくことで朝の目覚めが良くなります。
朝起きるのが辛いのは、睡眠の質が低いことに起因する場合がほとんどです。睡眠の質を高めて「グッスリ眠れた」という熟睡感が得られれば、スッキリと起きることができるようになります。
次は、今夜からでも夜のルーティンワークに取り入れられる、睡眠の質を向上させる習慣をご紹介します。
牛乳には、アミノ酸の「トリプトファン」が含まれています。
睡眠ホルモンのメラトニンは、幸せホルモンと呼ばれる神経伝達物質・セロトニンが原料となって生成されます。そのセロトニンの原料となるのが、トリプトファンなのです。トリプトファンは体内では生成されないため、食事からの摂取が必要です。
ホットミルクはトリプトファンを摂取できるだけでなく、内側から身体を温めることで緊張した身体と心をほぐします。睡眠の質を高めて目覚めを良くするためにも、夜の飲み物は覚醒作用があるカフェインが入ったコーヒーや紅茶、眠りを浅くするアルコールを避けて、ホットミルクがおすすめです。
寝る前に簡単なヨガのポーズを行うことで、副交感神経が優位になります。安眠を誘うラベンダーやベルガモットなどのアロマを焚きながらゆったりヨガを行えば、リラックス効果がさらに高まって睡眠の質が向上するでしょう。
ヨガをしたことがない人でも簡単にできる「チャイルドポーズ」は、身体の緊張をほぐすだけでなく、気持ちを安定させる効果があります。
チャイルドポーズのやり方
※おでこが床につかない人は、手を重ねた上におでこをのせてください。
香りによって睡眠の質が向上することが、さまざまな研究によって明らかになっています。
眠りの質を高める効果が高い香りとして、リラックス作用で知られる「ラベンダー」、ストレスを緩和する「ベルガモット」、緊張をほぐすセドロールという成分を含有した「ヒノキ」が挙げられます。
アロマオイルをティッシュやコットンに一滴たらして、枕元やサイドテーブルに置くだけで心地良い気分で眠れるでしょう。
眠るためにベッドや布団に横たわったら、腹式呼吸でリラックス感を高めましょう。腹式呼吸をすると副交感神経を優位になって、寝つきが良くなります。
眠る前におすすめ!腹式呼吸のやり方
(各秒数は目安)
「朝起きられない…」睡眠に悩む人必見!深いノンレム睡眠を増やし、眠りの質を改善する方法 >>詳しく見る
せっかく早起きしても、二度寝してしまっては意味がありません。二度寝を防止する効果的な方法をご紹介します。ベッドや布団の中で実践してみてくださいね。
二度寝を防ぐ方法
朝スッキリと早起きできれば、朝の時間を有効活用できて充実した1日を送れるようになるでしょう。
逆に、目覚めが悪いと朝の準備に時間がかかり、朝食を食べる時間がなくなってしまうこともあると思います。朝食を食べないと体内時計が乱れて不眠症になったり、高血糖になって生活習慣病を発症したりするリスクが高くなります。
一日のパフォーマンスを上げるためはもちろん、健康寿命を延ばすためにも、起きた時から疲労感を感じる・身体がだるくて重い・頭がぼんやりするという人は、睡眠の質を高めるための生活習慣を実践してみませんか。