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ロングスリーパーの特徴は?睡眠時間が長時間必要な人とは?

最終更新日:2023.07.14

ロングスリーパーの特徴は?睡眠時間が長時間必要な人とは?

「毎日7時間以上寝ているのに昼間もすごく眠い」「休みの日は10時間以上眠ってしまう」。そんなあなたは、もしかするとロングスリーパー(長時間睡眠者)かもしれません。

ロングスリーパーの中には、他の人によりも睡眠時間が長いことに不安を感じている人もいるのではないでしょうか。

今回は、睡眠アドバイザーとしての知識を織り交ぜながら、ロングスリーパーの特徴や健康への影響、過眠症との違いなどについて解説していきます。

パーソナル睡眠アドバイザー 健康管理士一般指導員 小田健史

この記事の執筆者

グリーンハウス株式会社

睡眠栄養指導士

小田 健史

健康食品業界で数々の商品開発や販促に12年以上携わる。
睡眠不足に悩まされ続けた自身の不眠体験から、一念発起して「睡眠栄養指導士」の資格を取得し、自らの知識と経験を基に機能性表示食品に登録された睡眠向上サプリ「睡眠体験」を開発。
現在、睡眠栄養指導士として多くの悩める方々へ睡眠の改善に関する情報を発信中!

<資格>
一般社団法人 睡眠栄養指導士協会
 睡眠栄養指導士® 中級
 パーソナル睡眠アドバイザー®
特定非営利活動法人 日本成人病予防協会
 健康管理士 一般指導員

ロングスリーパーとはどんな体質の人?

ロングスリーパーとはどんな体質の人?

ロングスリーパー(長時間睡眠者)とは、1日に10時間以上眠ることで心身を健康な状態に保てる人のことです。睡眠障害国際分類では「成人は10時間以上、子どもは年齢に適した睡眠時間より2時間以上多い場合はロングスリーパー」と定義しています。

ロングスリーパーは睡眠時間が10時間よりも短くなると、朝起きるのに時間がかかったり、日中に強い眠気を感じたり、頭がぼんやりして集中力が低下したりと身体に色々な不調を感じることが多くなります。そのため、休日は平日の睡眠不足を補うために12時間以上寝てしまうことも少なくありません。

ちなみに、睡眠時間が6時間未満でも日常生活や健康に何の影響もない人は「ショートスリーパー」、1日の睡眠時間が6~10時間の人は「バリアブルスリーパー」と分類されています。

タイプ 1日の睡眠時間 日本人の割合
ロングスリーパー 10時間以上 3~9%
ショートスリーパー 6時間未満 5~8%
バリアブルスリーパー 6~10時間 80~90%

過眠症の人とロングスリーパーの違い

過眠症の人とロングスリーパーの違い

ロングスリーパーは、長時間の睡眠が必要な体質であり、1日10時間以上眠れば日中に強い眠気を感じたり、倦怠感を感じたりすることはありません。

長時間睡眠を必要とする原因の一つは遺伝によるものと考えられていて、親がロングスリーパーの場合は子どももロングスリーパーになりやすい傾向があると言われています。体質的な要因としては、セロトニンなど睡眠に関連する神経伝達物質の分泌量が少ないことが挙げられます。

ロングスリーパーは病気ではないので「そういう体質である」ことを理解して、毎日必要な分の睡眠をとって日常生活に支障をきたしていなければ、病院での治療は不要です。

一方、過眠症は睡眠障害の一つです。過眠症は、夜に十分な睡眠時間を確保しているにも関わらず日中に強い眠気を感じたり、通常では考えられないような場所や場面で居眠りをしたりする症状があります。過眠症状が起きる主な病気には、ナルコレプシーや特発性過眠症などがあり、医療機関での治療が必要です。

ロングスリーパー 過眠症
睡眠時間 10時間以上 11時間以上
原因 遺伝、体質 ストレス、慢性的な睡眠不足、睡眠の質の低下、薬の副作用など
特徴 必要な長さの睡眠をとれば日中はほとんど眠気がない
健康に問題はない
日中に強い眠気を感じる
通常では考えられない状況でも居眠りしてしまう

ロングスリーパーと過眠症の見分け方は、長時間寝た後にスッキリと目覚められて、日中に眠気を感じなければロングスリーパー。反対に、長時間眠った後でも疲れや倦怠感があったり、昼に強い眠気を感じたりするようであれば過眠症の可能性が高いでしょう。

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長時間睡眠は健康にどんな影響があるの?

長時間睡眠は健康にどんな影響があるの?

アメリカ神経学会が65歳以上の認知症ではない3857人を対象に行った約12年間の追跡調査で、期間中に死亡したのが47.2%(1822人)で、そのうち5.1%(92人)の死亡診断書に認知症の症状が報告されていました。

その中で長時間睡眠者(ロングスリーパー)は53.3%(49人)、6~8時間睡眠者は39.1%(36人)、短時間睡眠者(ショートスリーパー)は7.6%(7人)でした。

この調査結果から、長時間睡眠と認知症特有の死亡リスク増加には関連性があるといえます(※1)。

また、学生4397名を対象に「睡眠時間と風邪のひきやすさ」を調べたところ、年に5回以上風邪をひくのは睡眠時間が6時間以下の人と10時間以上の人に多いことが判明しました(※2)。

このような調査結果を見ると「長く寝すぎると健康に悪いのでは?」と心配になりますね。しかし、ロングスリーパーは体質として長時間の睡眠が必要な人です。そのため、無理に睡眠時間を短縮すると、睡眠不足が蓄積して「睡眠負債」を抱えることになりかねません。睡眠負債は、肥満や高血圧、糖尿病、認知症、うつ病など様々な病気を引き起こす大きな要因となります。

ロングスリーパーは睡眠不足による健康リスクを回避するためにも、自分がもっとも健康的に活動できる睡眠時間の長さを知り、日常的に確保できるようにしましょう。

※1:Benito-León J, Louis ED, Villarejo-Galende A, Romero JP, Bermejo-Pareja F. Long sleep duration in elders without dementia increases risk of dementia mortality (NEDICES). Neurology. 2014 Oct 21;83(17):1530-7. doi: 10.1212/WNL.0000000000000915. Epub 2014 Sep 24. PMID: 25253755; PMCID: PMC4222849.

※2:谷平. "大学生の睡眠習慣と免疫的体力の関係について" 睡眠時間と感冒羅患回数についての質問紙法による疫学的研究." 名古屋工業大学紀要 55 (2003): 151.

ロングスリーパーの偉人たち

ロングスリーパーの偉人たち

歴史的に有名な人たちには睡眠時間が短いショートスリーパーが多い印象がありますが、実は10時間以上の睡眠習慣があるロングスリーパーも少なくありません。代表的なロングスリーパーの偉人たちをご紹介します。

  • アインシュタイン…10時間

    • 相対性理論で知られる理論物理学者・アインシュタイン。「20世紀最高の物理学者」とも呼ばれ、1921年にノーベル物理学賞を受賞しました。舌を出したお茶目な写真でもおなじみのアインシュタインは、毎日10時間以上眠っていたと言われています。
  • 小柴昌俊博士…11時間

    • ニュートリノの観測成功で2002年にノーベル物理学賞を受賞した、日本が誇る物理学者で天文学者の小柴昌俊博士もロングスリーパーでした。その睡眠時間は1日11時間だったというから驚きです。
  • 水木しげる…10時間

    • 「ゲゲゲの鬼太郎」「悪魔くん」をはじめとした妖怪漫画や、実体験に基づいた戦記漫画などを数多くの名作を世に送り出した漫画家・水木しげるさん。“睡眠至上主義者”で、どれほど忙しくても毎日10時間以上は寝るという有名なエピソードを残しています。

自分に必要な睡眠時間を見極めよう

自分に必要な睡眠時間を見極めよう

睡眠時間が長い、ロングスリーパーの特徴や過眠症との見分け方などについて解説しました。自分がロングスリーパーなのか過眠症なのか分からないという人は、10時間以上眠ってみて、起きた時のスッキリ感や体調を観察してみましょう。

もしも睡眠の質が低下していることが原因で過眠傾向になっているようであれば、睡眠の質を向上させる生活習慣や食事、あるいは深い眠りをサポートする成分を配合したサプリメントを試してみるのもおすすめです。

健康な毎日は、適切な睡眠時間から!十分な睡眠をとって、毎日を元気良く過ごしてくださいね。

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